メイドインUSA。リーバイス赤耳、チャンピオン赤タグを揃える。伝統のアメカジ。

ライフスタイル

made in USAの品々には妙に惹きつけられる。LEVI’SリーバイスChampionチャンピオンなど、アメカジといえばファッションの定番。シンプルでタフで実用的、そうして着心地も良くカッコいい。更に老若男女を問わずして、誰にでも似合うという素晴らしさ。しかも上質さが伺える品々であればこそ、着る楽しみは無限大である。誰しもが抱くメイドインUSAへの憧憬しょうけいを胸に、普段着としてのセットアップを探訪する。

リーバイスのアメリカ製ジーンズという選択。

アメリカのアイコン、リーバイスのジーンズ。

Levi’sリーバイスはゴールドラッシュの最中である1853年にドイツからの移民、リーバイ・ストラウス氏によってアメリカ西海岸のサンフランシスコで誕生した。当初は帆布を用いて鉱山や港湾などの現業労働者の為、より頑強なパンツを開発。後に生地をリベット補強する方法が完成し、その生地を帆布からデニムに変更。質実剛健、アメリカのアイコンともなった”ジーンズ”という名品が誕生した。

made in USA、ドンケF-6とリーバイス。

帆布やデニム生地を織る際に使用したシャトル織機は、その改良によって産業革命の発端ともなった。またその生産方式により、シャトルという言葉は往復するという形容に転用されている。それで織られたものは、ヴィンテージ生地の代名詞ともなっている。セルビッチはシャトル織機で織った際にできる耳、生地端のほつれ止めのことを指しているが、リーバイスではセルビッチの中央に赤い糸が使用されたことから「赤耳」と呼ばれて親しまれる事となった。

リーバイスのセルビッチを象徴、赤耳。

ヴィンテージデニムの代名詞であるセルビッチデニム。現代においてはシャトル織機よりも時間にして5倍以上という生産効率の極めて高い、エアジェットなどコンピューター制御の革新織機が誕生。それによって耳とも呼ばれるセルビッチの必要性が無くなった。シャトル織機は維持管理に費用が掛かるばかりでなく、扱う職人にもある程度の熟練度が必要であるという。ある意味で、そんな非効率さが価格に反映されているのであるが、経年劣化による味わい深さにも定評がある。

旅とデニム。

もちろん均整の取れた革新織機で織られたデニムも良いが、人の手が加えられた不均一な製品のほうが、全体として自然的なバランスがとれており、見ていて気持ちが良いというのは不思議なもの。履いていてより気楽なのは、最新のストレッチデニムのほうであるのかもしれないが。いずれの製品においても、好まれる理由がある。

ストレートとスキニーの狭間、伝統と革新の融合。リーバイス511。

バックスタイルも兎に角カッコいい。

リーバイス511は、見た目はすっきりとしていながら履き心地はゆったり。そんな風に”見る”と”使う”を共に追求したモデルである。501のような伝統にのとったジーンズ本来のクラシカルな余韻を残しながら、現代的な細身のシルエットを取り入れた比較的新しいモダンなシリーズ。作業着というよりは普段着としての装い、そんな風に新しく定義された型番のように思える。

ゆったり、スッキリ。

時代を経るにつれて、ジーンズも作業着というより普段着というようなファッションとして認知されつつある。そんな時代を象徴するかのようなシリーズである。バックスタイルのカッコよさは格別。リーバイスの古典とも定番ともいえる501も時代の潮流に合わせ、少しずつ変革を遂げている。そんな501が古典派ならば、511は新古典派ともいえるような製品だ。

ジーンズは、ときの語り部。

生地の生産から縫製までをアメリカ国内で製造されたモデル。”MADE IN THE USA”コレクション。往々にして現行モデルは、ジーンズの保守層からすればやわな製品だと思われがちである。たしかにデニムの殿堂とうたわれたコーンデニム社のホワイトオーク工場で生産されたデニム生地を使用したモデルではない。しかしどんなものでも変わらない事は、実質的な価値を守ることにはならない。リーバイスもしかり、伝統を現代に適応してこそ、その神髄を保守できるものである。

アメリカ製とのさりげない主張。

縫製の方法など細かい部分の仕様は、時を経るに連れて変遷し続けている。それが如何いかなる理由であったとしても、現代において考えられる最良なるジーンズの形であれば良いのである。例えば、第二次世界大戦モデルで、コインポケットにリベットを打たないという製品があっても、現代においては価値があるのだから。

ファッションは常に世相を反映する。その時代におけるジーンズの形が、まるで歴史を物語ってくれているようだ。時として異なる意味を持ち、希少なる価値を持った存在も勿論あれど、変わらぬ事柄もある。事実、いつの時代にあってもジーンズは、ジーンズであった。現代においても、シンプルで頑強なパンツとして人々から認知されている。そんなジーンズを今もリーバイスが作り続け、誰もが手にすることが出来る。それだけで、素晴らしく喜ばしいものである。

フィルソンのアメリカ製アウターとベルトという選択。

フィルソンのベルトとベスト。

FILSONフィルソンは1897年にクリントン・C・フィルソン氏によって創業された。氏は当初アメリカ中部のネブラスカ州で鉄道員として従事していたが、起業する夢を携えて西海岸のワシントン州シアトルへ向かう。そこでゴールドラッシュに駆けつけた鉱山労働者たちに情報案内所を開設。それを足掛かりにして鉱山、林業、漁業といった劣悪環境下で従事する労働者に向けて、最高品質の装備を生産し始めた。その合言葉はMIGHT AS WELL HAVE THE BESTどうせ持つなら最高のものをであった。

フィルソンのベルトは、頑強そのもの。

設立以来、天然素材と最高品質の二本柱に支えられ、アメリカ国内での製造にこだわったフィルソンは、その使用者達から製品に対する大いなる信頼と安心を勝ち得てきた。それは同社において伝統的に用いられている生産方式に依拠いきょするところも大きい。一人の職人が一つの製品を最後まで作り上げる“FILSON UNIT GARMENT METHOD”という生産方式である。

フィルソンを代表する、マッキーノクルーザー

その実現の為には職工や職能の高い熟練度を必要とし、職工の製品に対する責任の所在までも明確にする。こうした企業文化が、まさにフィルソンという企業の名前を今日まで背負ってきたのである。その優れた品質から「親から子へ、子から孫へ」と多く着継がれているようだ。

made in USAで、セットアップ。

世代を超えて、受け継がれるような丈夫さ。現代にあっても、そんな価値が合わせて見直されても良い。使い手の心が宿る大切な品々。その意志までも引き継ぐことを可能とするプロダクトが、今でも必ずや存在するはずである。きっと本物のメイドインUSAは、それを実現するに相応しく、また一番身近にある存在であるに違いない。タフな使用に耐え、経年の味わい深さに感じ入るヴィンテージ。そんな日用製品の代名詞が、ジーンズやパーカーといったアメリカンな古着なのである。

チャンピオンのアメリカ製パーカーという選択。

チャンピオン、C5-U101。

Championチャンピオンは1919年にサイモン・フェインブルーム氏によって、ニューヨーク州ロチェスターで設立された。氏はセーターの販売を中心に手がけたが、氏が亡くなった後に彼の子供たちがスウェットシャツの原型となる労働者用の防寒下着を販売。更に労働者向けにスウェットシャツを開発。1924年にミシガン大学が運動競技用の服として、高品質で低価格なチャンピオンのスウェットシャツに注目し採用すると、それをキッカケにして爆発的に全米へと広まった。

チャンピオンのパーカーは、圧倒的品質。

それを成し遂げたのは、製品の良さを実感した大学のコーチ同士の口コミであった。その後、大学内の生協を通してスウェットシャツは徐々に生徒たちにも浸透。普段着としても定着していく事となった。また高品質なスウェットシャツは高水準の試験をクリアし、米軍の訓練用として採用された。

そのように過酷な現場で使用できる耐久性や保温性、動きやすさなどが評価され、市場での信頼を徐々に獲得していく事となる。デザイン、素材、縫製、耐久性に拘ったチャンピオンの「ザ・キングオブスウェット」。これこそが、アメリカを代表する逸品なのである。

リバースウェーブという発明。

特に1934年に洗濯時の縦縮みによる苦情対策として考案されたリバースウェーブ。生地を横向きに使用する製法によって、長年の課題でもあったこの問題を解消。両サイドの脇部分にはリブを配することで、横縮みに対しても策を講じた。

生地はリバースウェーブ、脇は縦リブ。

またこのサイドアクションリブは、服の強度を増し、型崩れしにくく、激しい運動の際においても動きやすさを確保する事に繋がっている。これによってチャンピオンは信頼に足る衣料メーカーとして、確固たる地位を手にするに至った。

チャンピオンの赤タグと青タグ。

スタイルに応じ、赤タグ、青タグを選ぶ。

赤タグとは、伝統的なアメリカ製の象徴。12.5オンスの肉厚生地。チャンピオンにおいて最高峰の品質を誇るラインである。分厚い生地感はアウターとしての機能性も抜群で、非常に暖かである。ノンウォッシュの為、乾燥機に入れた際に多少横縮みが起こる可能性がある。

米国製チャンピオン、安定の赤タグ。

シルエットとしては欧米の感覚に合わせ、身幅みはば肩幅かたはばが広くゆったりとしたシルエットで着られるという印象。しかしながら着丈きたけが比較的短く設計されている分、野暮ったい印象を与えない。製品としてのクオリティは非常に高く、多少荒っぽく使用しても何ら問題はない。ガシガシとタフに使っていたいアメカジの王道ともいえる。

青タグとは、日本人の体躯により似合う作り。製造はアメリカではないが、より洗練されたスマートなシルエットとなっている。生地感は11.5オンス洗い工程を経ている為、それ以上の横縮みがあまり起こらない。新品を試着した時点でイメージが完成する。洗った後も同様の感覚でサラッと着用できるのはメリットであろう。

よりタイトな青タグ。

スッキリとしていてタイト、立体感も素晴らしい。細身体形でも良く似合う。首周りやフードも素晴らしく、12.5オンスの赤タグと比較しても同様に型崩れしにくい。その格好良さがいつまでも維持できるように設計されている。またインナーとしても活躍。部分的には仕様の異なりが多少あるが、それでもチャンピオン製品としてのクオリティは十分に維持されており、長年の使用に耐えうるものである。

首元のデザインが、若干異なっている。

とはいえ赤タグも青タグもいずれにせよ、満足を得ることは間違いない製品である。全体のバランスとして、使用方法として、スタイルは各人に好みがあると思われる。よりアメカジを極めたければ赤タグを、よりタイトに決めたければ青タグを。それらは常に、最高の選択肢。ベストバイなのである。

カメラバッグは、メイドインUSAのドンケで。

晴れた休日には、ふらりと出かけたくなる。手ぶらでポケットにコンパクトカメラを忍ばせて、時には贅沢に一眼レフを鞄に放り込んだりして。そうして普段は見逃しがちになる足下や頭上に少しだけ意識を傾ければ、小さな発見が大きな感動をもたらしてくれる。そうした時間は、人生の糧なるひと時。

メイドインUSA、ドンケF-6

極々身近な場所で得られる、ちょっと贅沢な時間は、決してハワイやタヒチのビーチだけの特権ではない。休日にこそ、普段見失われがちな時間を恢復かいふくしていくのである。晴れた日は、自分にとって最上で贅沢な時間を。どこへだって快く向かうことが出来る、シンプルでタフなメイドインUSAなる品々を備えて。

ドンケF-6付属のインナークッションは取り外し可能、通常のバッグとしてもカッコいい。ある時はカメラを放り込む。

コラム:アメリカの伝統的な物づくりも、凄い。

日本の物づくりを考えてみると、民藝みんげいや伝統工芸のように家内制手工業や工場制手工業マニュファクチュアを源流としている部分が大きい。対してアメリカの物づくりは、独立当初より人口の少なさに起因する労働力不足を補うための機械化、工業化によって支えられた。

電話の発明で有名なグラハム・ベル氏が創立した電話会社の研究機関で、勤めていたウォルター・シューハート氏によって品質管理QCという言葉が生まれたという。そうした思想がアメリカで生まれたことからも伺える通り、大量生産を基盤とする工業製品であるにも関わらず、同国では均一で高品質な物づくりと生産方式が盛んに追究されてきた歴史がある。

ちなみに日本の工業製品は戦前には「安かろう悪かろう」と揶揄されるほどであった。戦後になりアメリカからエドワーズ・デミング氏が招聘され、日本は世界的に見ても一流の品質管理技法を獲得するに至った。

その後、高度経済成長期には日本的に適応したQCサークルと呼ばれる技法によって、世界の市場を席捲することとなった。品質管理の本場、アメリカにおいて「ジャパンアズナンバーワン」とさえ謳われる時代まで訪れる。このデミング氏は、上記のベル研究所でインターンシップを行い、シューハート氏の品質管理技法を学んでいたのである。

ところでアメリカにおいて、西部開拓時代には労働者の為により頑強でより実用に耐える製品が需要され、良質な工業製品が多く供給された。リーバイスやフィルソンなどアメリカの金ぴか時代を支えた労働者たちにも支持された歴史ある製品に今でも触れる事が出来るというのは喜ばしい事といえよう。

ただし近年のアメリカ企業は、製造業ながら自社工場を持たなくなり企画だけを行うファブレス化が進んでいる。もしも工場があったとしても海外移転が進められたりと純粋なる伝統的な高水準のアメリカ製品を手に入れるというのは困難になりつつある。

しかし単純に、現代にあってアメリカの工場で作られた製品を手に入れられるというだけでも十分満足を得ることが出来る。発展途上国で作れば安く済むところ、全く同じ品質で先進国で作るのであれば、ただ高くつくというだけの事。ただし、そこには付加価値が必ずや存在しているものである。

このコラムの筆者
ZINEえぬたな

"古典は常に新しい"をモットーとして、相続されるべき普遍的な「価値」を次世代へ継承。

個人で編集するZINEをブログ上で運営。「えぬたな」は一つ一つの記事を読み切りとして編集。自らの写真と文章で、ヒトの思いを伝え、世の中の良いモノ、残すべきコトを紹介。

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