正統派チェキ、instax mini90ネオクラシックでフィルムに遊ぶ。

インスタント/チェキ

instax mini90ネオクラシックは、チェキの最高峰。チェキと言えば、富士フィルムのインスタントカメラ。飲み会の席で、結婚式の寄せ書きで、そうした使い方で活躍するアイテム。そんな使い方もあるけれど、日常や記念をフィルムで残すという従来のアルバム写真としての価値が素晴らしい。しかも出てくる絵そのものが美しく表現性に好感が持てる。

本来フィルムは、現像という工程に暗所作業などが必要になる。しかしインスタントフィルムは、こうした手間を省く画期的なフィルム写真。完全素人が何をせずとも、考えずとも、ただ撮影するだけで現像とプリントまでも完結してしまうのである。撮った写真は部屋に飾るのもいい、アルバムに挟むのもいい、プレゼントするのもいい。そんな写真の原点に立ち戻らせてくれる。

インスタントフィルム、チェキの魅力。

チェキで撮る、思い出。

デジタルカメラは、瞬時に撮れ高を確認することができる。対してフィルムカメラは、写真表現として完成するには現像など相応のタイムラグがある。そしてその両者の中間に位置するのがインスタントフィルムである。写真が浮き上がってくるのに少しだけ待つ必要があるが、その場でフィルムを確認することが出来る。撮影を終えて、チェキから少しずつ出てくるときの喜びはひとしお。

デジタル化が進む昨今、データとして写真を所持していても、現物が手元にないという心許ない状況が生まれている。そんな一見空虚な世界の現代。そこに生まれている心の隙間のようなものを穴埋めできる存在がフィルムである。子供の写真をアルバムに残すという事が、カメラが高級品であった時代のステータスであった。しかも実際に残されたアルバムを手に取り眺める時間は、何にも変えがたい貴重な時間だった。

どこへでも、傍に、一緒に。

そのような貴重で贅沢な時間を、チェキは現代へ蘇らせてくれるのである。

カメラのキタムラなどでは、そのチェキをデータ化してくれるサービスがある。そんな風にSNSやスマホなどデータ化された写真を共有し保存しても良い。またデジタルの長所といえば、嵩張らずに持ち運べる気軽さもあるのだから、これも双方の強みの良いとこどりである。その原本が手元にあるという安心感がとても素晴らしい。

Instax mini 90 ネオクラシックは、万人のために。

見た目はネオクラシックという名の通り、古き良き時代のカメラのプロダクトデザインを継承している。キュートな見た目、おもちゃ感の強かったチェキ特有の見た目とは一線を画し、大人びた風采をしている。老若男女を問わず受け入れられやすい外観となった事で、もっとチェキをカメラとして愛でる事ができるようになった。男性が持っても違和感のない佇まいが嬉しい。

Instax mini90、レトロなプロダクトデザイン。

同時に富士フィルムのInstax90ネオクラシックは極めて多機能型チェキ。多くのモデルがある中で、バルブ撮影、二重露光、フラッシュ、露出補正、接写モードなど通常のカメラ顔負けの写真機能を搭載している。またそれにも関わらず、チェキの中でも小さく軽い。使い勝手を極めたフラッグシップチェキである。中でも撮影モードと露出補正を各々設定ができるのもポイントが高い。

見た目がよく、常に持ち歩きたい。

質量約296gと持ち運びも楽々。だからこそ、他のカメラなどと一緒に持ち運びする際にも特に苦になることもない。むしろ表現の幅などが広がることを考えると、是非にでも常に持ち歩きたい気持ちにさせてくれる。やはりその部分には、見た目の良さも十分に影響している。

集合写真やセルフポートレートにも。

また消費電力の大きいストロボ使用でも安心な充電式バッテリーや三脚穴、セルフタイマーなどによって、集合写真としても十分活用できる。皆で集まって撮るという記念写真。そしてセルフポートレートなど多くの場面でチェキを楽しむことできるのはとても嬉しい。通常のデジタルやフィルムカメラなどとの複数台体制で同時使用するのも楽しい。

何でもない記念日。集合写真などにも。

デジタルと併用ならフィルムならではの表現を楽しむことが出来る。フィルムと併用ならその場で写真のイメージを確認することが出来る。それでいて、同時使用の際でも苦になることのない296gという軽量ボディは表現の幅を広げてくれるものでもある。インフォーマルな日常をチェキで切り取り、思い出を閉じ込めてみる。そんな風に運用してみるのもおすすめ。

Fujifilm Instax mini90 ネオクラシックの作例

白枠だけでなく、シーンに応じて黒枠も使い分けたい。

モノクロフィルムもオススメ

モノクロフィルムといえば富士フィルムのネガフィルム、ネオパンacros100の製造販売が原材料の入手困難さから終了。ネオパンacros100Ⅱとして代替原材料を開発し、新発売となった。表現法としてのモノクロは深い魅力があるものの、この分野における選択肢は失われつつある。デジタルで楽しむのも良いが、チェキでモノクロ表現を楽しむのはとても面白い。

古典的表現ではあるが、肖像写真とモノクロ、モノクロとフィルムとの相性は素晴らしく、これをチェキで体験してみるのは非常にオススメ。写真の原点とも言える表現法であるが、光をコントラストで捉えるという行為は、カラー写真においても重要である。チェキは未だにモノクロに挑戦できるのは嬉しい。

Instax mini 90 ネオクラシックの使い方と外観

Instax mini90 ネオクラシックは、素晴らしき外観。

プラスティックな質感。このおもちゃ感がとても素晴らしく、カメラで写真を撮影するという行為のハードルを下げてくれる。しかしその機能は、実に練りこまれている。シャッターボタン、起動ボタンには鏡のように反射する素材が使われている。これによって自撮りも十分可能。

POWERを引くことでON/OFF。

POWERのレバーを引くと起動する。クリック感が気持ちがよい。

起動と同時にせりあがるレンズ。

スムーズに駆動するレンズ。丁寧に作りこまれたカメラ。

縦位置でも横位置でも対応する位置にシャッターボタンが用意されている。絞りはF22固定。シャッター速度は1,8秒から1/400秒ISO感度は800固定。焦点距離は60mm。通常モードの最短撮影距離は60cm。使用するフィルムは、Instax mini フィルム。

撮影機能が多彩。いくつものシーンに対応。

背面液晶では、残りのフィルム枚数、現在のモードなどが非常にわかりやすく表示される。

モード変換のため、背面ボタンを操作。

背面ボタン操作でシーンを選択できる。MODEボタンを押す。この操作系では、左から❶パーティモード、❷キッズモード、❸遠景モード、❹二重露光モード、❺バルブモードと全五種類。

更に独立したボタン操作で、マクロモード、露出補正±、セルフタイマー、フラッシュ撮影なども搭載されている。非常に多機能である。バルブモードでは、必然的にフラッシュ発光禁止に設定される。マクロモードでは、30cmから60cmの間にピントが合うようになる。ただしよりシャープなのは40cmから60cmとのこと。

❶パーティ:暗い室内、人物から背景まで光が回るフラッシュ撮影。❷キッズ:シャッタースピードを速くし、手振れを抑える。❸遠景:3メートル以上の被写体をシャープに撮る。❹二重露光:2枚を重ねて撮影する。❺バルブ:最長10秒の長秒露光を可能にする。

MODE変更は、ダイヤル操作でも。

実は上記のMODEボタンを押した後、ローレットが施されたダイヤルリングを左右に回すことでもモード変更可能。従来のカメラを彷彿とさせるこの作りこみが嬉しい。

撮影モードを同時に、組み合わせて使用する。

撮影モードはもちろん組み合わせて使用することが出来る。例えば、遠景モードを使用しつつ、LDボタンによってマイナス露出補正、フラッシュモードボタンで発光禁止。といった形の撮影が可能で使い勝手が非常に良い。ちなみにこうした使用が可能なのは、この機種のみ。まさにチェキの中のチェキといえる製品である。

撮影モードを組み合わせて使用

露出補正にはD(-2/3EV)、L (+2/3EV) 、L+(+1EV)の三種類がある。Dがマイナス、Lがプラス補正である。また発光禁止や強制発光、自動発光などを選択することも可能。左上の電池残量の表示も嬉しい。こうしたこだわりの性能は、チェキをカメラとして楽しむことが出来る。

電池はバッテリー使用。裏蓋を開けるのみ。

電池交換は簡単。バッテリー式で充電も楽々。電池の持ちは非常に良い。フラッシュを多用しなければ、その他のフィルムカメラと同様、ほとんど充電を必要としないほど省エネ。

裏蓋の爪を開ける。

電池交換はただ裏蓋を開けるだけ。

バッテリー式が嬉しい。

バッテリーを抜き差しするだけ。

バッテリーの残量も液晶表示で安心して使用できる。満充電まで約110分と比較的早く充電できるのも嬉しい。バッテリー重量も約15.5gと軽量のバッテリーが使用されている。バッテリー別の質量が296gで合計しても300g強で使用できるのは嬉しい。

レビュー:チェキの中のチェキ。上位機種を楽しむ。

チェキを楽しむ。撮る、見る、贈る。

ポラロイドカメラから始まる系譜。インスタントカメラの良さは、撮ったものをすぐに贈ることが出来る、飾ることが出来る。撮影後に写真がカメラから押し出されてきて、間もなく絵が浮かび上がっていく。そうしたところに喜びがある。これはデジタルカメラ、フィルムカメラにない魅力。こうしたところから写真の道にハマる人も多いものと思われる。

同じインスタントカメラの中でも、Instax miniフィルムを使える機種がチェキ以外にも存在する。あのドイツの老舗カメラメーカー「ライカ」から販売されているゾフォートである。このカメラに搭載されたレンズは、ライカブランドであるがそのスペックを見てみると完全に富士フィルムのInstax mini 90 ネオクラシックのものと一致する。

多少デザインなどに変化はあるものの、そのスペックはほとんど一致している。Instax技術を搭載しているのだから当然なのかもしれないが、富士フィルムのOEM製品である。出てくる絵などには劇的な変化はないものと思われる。それでもライカブランドやそのプロダクトデザインに憧れる写真愛好家も多いはずである。そして、その部分にこそ付加価値があるとみるのが正解であろう。

Instax mini 90 ネオクラシックの特に優れたところ

このカメラの素晴らしさは、とても軽く持ち運びやすい部分にある。インスタントフィルムが出てくるのだから、その大きさ以上の幅を確保しなければならないため、コンパクトカメラのように小さなサイズを確保するのはなかなか難しい。それでもインスタントカメラという枠組みで見つめてみると、非常に小ぶりにまとめられた機種であることが伺える。

カメラとしても使いやすいチェキ。

このカメラでは、Instax miniというフィルムを使うため、その二倍の大きさのInstax SQUAREというようなフィルムを使う機種よりも、必然的に小さいサイズが確保される。しかもセンサーなどを搭載しないため、その分とても軽量である。この点、サブカメラとしての地位を確保しやすい。

更に露出補正、マクロ撮影、バルブ撮影、セルフタイマー、ストロボモード、三脚穴などを標準装備し、遠景モードなどの撮影モードと同時にそれらの機能を組み合わせることが出来る。この機能は他のチェキでは省略されていることも多いため、非常に使い勝手の良いインスタントカメラであるということが出来る。

以上からチェキの中にあって、フラッグシップとの呼び声も高い。見た目もとても洗練されていて、持ち歩いたり、使う喜びにも繋がっている。誰しもが用いて相応しい、そのデザイン性の高さはメリットとなる。色々と語ったが、フィルムも比較的安価なものを選べるため、維持費などを含めても、結局のところそのコストパフォーマンスの良さも特筆すべきであろう。

Instax mini 90 ネオクラシックの苦手とするところ

チェキ全般に言えることでもあるのであるが、10枚ずつしか撮影できないという部分は、多少の不便さがある。またメリットを裏返すことでもあるが、instax SQUAREを用いる機種などと比べると出てくる絵が比較的小さいサイズとなってしまう。

またファインダーからのぞいた際、実際に写すレンズからすればパララックス(視差)がある為、構図決めにコツがいる。これは慣れが大事で、距離感を掴めば特に問題になることもない。

また多機能性がゆえに他機種と比べるとボタンが多く、少しながら考えて撮影しなければならない。起動時ごとに初期設定になるため、毎回自分好みの撮影モードを選びなおさなければならない部分が玉に瑕。しかしこれもまた、その分のこだわりの撮影が可能になる。

コラム:

このコラムの筆者
ZINEえぬたな

"古典は常に新しき火種"
をモットーとして、残すべき「価値」を次世代へ継承。

個人で編集するZINEをウェブ上で運営。「えぬたな」は一つ一つの記事を読み切りとして編集。自らの写真と文章で、ヒトの思いを伝え、世の中の良いモノ、残すべきコトを紹介。

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