チャンピオンの赤タグと青タグとは。メイドインUSAコーデと着こなし。

ファッション

made in USAの品々には妙に惹きつけられる。Championチャンピオン製品などを取り入れたアメカジといえばファッションの定番。シンプルでタフで実用的、そうして着心地も良くカッコいい。更に老若男女を問わずして、誰にでも似合うという素晴らしさ。しかも上質さが伺える品々であればこそ、着る楽しみは無限大である。誰しもが抱くメイドインUSAへの憧憬しょうけいを胸に、普段着としてのセットアップを探訪する。

チャンピオンが誇る、リバースウェーブ。スウェットシャツとパーカーの魅力。

チャンピオンのスウェットシャツ。

Championチャンピオンは1919年にサイモン・フェインブルーム氏によって、ニューヨーク州ロチェスターで設立された。氏はセーターの販売を中心に手がけたが、氏が亡くなった後に彼の子供たちがスウェットシャツの原型となる労働者用の防寒下着を販売。更に労働者向けにスウェットシャツを開発。1924年にミシガン大学が運動競技用の服として、高品質で低価格なチャンピオンのスウェットシャツに注目し採用すると、それをキッカケにして爆発的に全米へと広まった。

チャンピオン赤タグ

それを成し遂げたのは、製品の良さを実感した大学のコーチ同士の口コミであった。その後、大学内の生協を通してスウェットシャツは徐々に生徒たちにも浸透。普段着としても定着していく事となった。またその後においては、高品質なスウェットシャツは高水準の試験をクリアし、米軍の訓練用として採用されている。それらの事実を以て、更に運動着としての地位を確立した。

ザ・キング・オブ・スウェットシャツ

そのように過酷な現場で使用できる耐久性や保温性、動きやすさなどが評価され、市場での信頼を確実に獲得していく事となる。チャンピオンが発明したスウェットシャツは、元祖であり起源。名実ともに「ザ・キングオブスウェットシャツ」として、その名声を欲しいままにしている。デザイン、素材、縫製、耐久性に拘り抜いたスウェットシャツとその技術を用いたパーカーは、他の追随を決して許さない。これこそが同社を、いやアメリカを代表する逸品なのである。

Championの発明、評判となったリバースウェーブとは。

特に1934年に洗濯時の縦縮みによる苦情対策として考案されたのがリバースウェーブという技術。時に日本語の綴り字においては、リバースウィーブとされる事もある。生地を横向きに使用する製法によって、長年の課題でもあったこの問題を解消。両サイドの脇部分にはリブを配することで、横縮みに対しても策を講じた。編み生地を逆にするという意味から名付けられたその名前は、現在までもチャンピオンのブランド価値を高め続けている。

サイドアクションリブ、リバースウェーブ

その縫製も妥協を許さない。随所に配置された2本針ステッチと4本針ステッチによって、その強度は高められている。サイドアクションリブの縫製箇所などには、裏地に縫いしろが露出しないフラットシーマによる縫製が施され、それによって頑強さが保たれているばかりでなく、着心地の良さまでも追求されている。チャンピオンの製品においては、こうした目に触れない箇所にこそ最上のこだわりりをもった意匠が施されているのである。

動き易い、リバースウェーブ

またこのサイドアクションリブは、服の強度を増し、型崩れしにくく、激しい運動の際においても動きやすさを確保する事に繋がっている。ミリタリーからスポーツに至るまで様々な激しい動きに鍛え上げられ、進化してきたデザイン。その品質の良さはぴかイチ。これによってチャンピオンは信頼に足る衣料メーカーとして、確固たる地位を手にするに至ったのである。

リバースウェーブのタグ。トリコタグや現行タグ。

チャンピオンのリバースウェーブパーカー

そんなチャンピオンを代表する技術、ブランドでもあるリバースウェーブ。同社におけるスウェット製品すべてが、この技術が採用されているわけではないところに留意したいところだ。そのリバースウェーブが採用された製品において、年代によって異なるタグが用いられている。

リバースウェーブ、現行タグ。

例えば、上記のようなトリコロールカラーのものは「トリコタグ」と呼ばれており、同社を代表する赤色と青色、下地の白色で三色使い。これは大体1980年代以降から使われている配色で、少しずつ変遷を辿りながら現行タグとしても用いられている。

チャンピオンの赤タグと青タグの違いとは。サイズ感など比較。

スタイルで選ぶ、赤タグと青タグ。

チャンピオンの赤タグ」とは、リバースウェーブの中でも素材から縫製に至るまで、メイドインUSAに拘られた製品に付けられる赤単タグのことで、最高峰のフラッグシップモデル。また青タグ」とは、製造国は中国ながらより日本人のスタイルに似合うデザインが追求された製品に付けられる青単タグのこと。特にスウェットシャツとパーカーで用いられており、いずれも製品それ自体を指すこともある呼称である。

生地はリバースウェーブ、脇は縦リブ。

基本的にこのタグが使用されていたのは、1970年代。現代においては、それを極限まで再現させたリバイバルモデルという事になる。さて、赤タグ青タグ。ぱっと見のデザインで異なっているのが、首元のフード部分。それぞれが美しいシルエットを保てるように研究されたデザイン。チャンピオンのパーカーでは、フードに立体感が得られる。全般的に機能性としても非常によく考えられており、その着心地も最高である。ちなみに、いずれも裏起毛で肌触りも著しく良く、その保温性はすこぶる高い。

ちなみに袖丈の長さも、企画上においては同じサイズであっても、赤タグのほうが青タグに比べて長めに設計されている。例えばMサイズの場合、赤タグは64.5cmに対して、青タグは62cmとなっている。一般的には、リブの長さが長い程年代的に古いデザインだ。その存在は、外気を防ぎ、内気を逃さない為に備えられている。また激しい動きにも対応し、服の機能性を高めてくれる。その他サイズ感は、いずれも日本規格のサイズ感と考えても良い。

首元のデザインが、若干異なっている。

その選択が赤タグ青タグもいずれであっても、満足を得ることは間違いない製品。1970年代の香りを感じながら全体のバランスとして、使用方法として、スタイルは各人に合った好みがあると思われる。よりアメカジを極めたければ赤タグを、よりタイトに決めたければ青タグを。それらは常に、最高の選択肢。ベストバイなのである。

リバースウェーブパーカーC5-U101(赤タグ)C3-W102(青タグ)
生地の厚さ12.5オンス11.5オンス
サイズ感日本サイズ程度(袖丈長め)日本サイズ程度
製造国アメリカ製中国製
素材 裏起毛
・USAコットン90%
・ポリエステル10%
裏起毛
・コットン90%
・ポリエステル10%
備考・素材から縫製すべてmade in USA
・米綿ならではのドライタッチ
・70年代モデル
・肉厚ボディ
・赤単タグ使用
・製造で洗い工程を経ている
・70年代の素材感を再現
・肉厚ボディ
・青単タグ使用

赤タグと青タグのサイズ感。着丈は腰丈、小さい短いと言われる理由。

ちなみに赤タグ青タグいずれの場合において、いやチャンピオン全般に言える事であるが、身長170cmで体重60kg中肉中背メンズの場合には、Mサイズが丁度良い。ただし腰全体が隠れる着丈ではなく、一般的な服装からすると小さめであると見られがちである。どちらかと言えばスポーツライクに動き易さを追求している事から、丁度腰丈であるという事はサイズ感において頭に入れられるべき事柄。もっとカジュアルテイストに着たい場合にはLサイズであっても問題ない

チャンピオンの赤タグ、リバースウェーブC5-U101とは。

「永遠のこだわり、永遠の憧れ、MADE IN USA」は、公式に使われているコピー。チャンピオン自らがその姿勢を反省し、糸から生地や縫製に至るまで全ての工程が、米国製である事にこだわって生み出されたプラダクト。彼らの真髄を感じることのできるラインである。

赤タグは、伝統的なアメリカ製の象徴。12.5オンスの肉厚生地。チャンピオンにおいて最高峰の品質を誇るラインである。分厚い生地感はアウターとしての機能性も抜群で、非常に暖かである。ノンウォッシュの為、乾燥機に入れた際に多少横縮みが起こる可能性がある。

チャンピオン、赤タグパーカー。

シルエットとしては欧米の感覚に合わせ、身幅みはば肩幅かたはばが広くゆったりとしたシルエットで着られるという印象。しかしながら着丈きたけが比較的短く設計されている分、野暮ったい印象を与えない。しかし、そのサイズ感は決して大きめと言う訳ではなく、表示サイズがそのまま日本サイズとして考えて選んでよい。この場合、普段着ているサイズを購入すると良い。

チャンピオンの赤タグは、製品としてのクオリティが非常に高く、多少荒っぽく使用しても何ら問題はない。ガシガシとタフに使っていたいアメカジの王道ともいえる。一見して上質感が伺える佇まい。シルエットは非常に洗練されており、格好よく美しい。優れた製品を所有し、それを着る喜びも大きい。

特にシャツなどの上から赤タグのパーカーを着ると、それだけで暖かである。この上から生地の厚めのアウターを着るというよりは、薄手のものに留めるくらいのほうが無難である。一枚で十分の温かさが確保されているし、そもそも12.5オンスは分厚い。インナーを充実させるほうがスマートに着こなせる印象だ。たとえばTシャツは、同じくチャンピオンのT1011なんて最高の選択肢。

チャンピオンの赤タグ、C5-U101
サイズ(cm)SMLXL
身丈6063.56770
身幅51545861
肩幅41444851
袖丈6364.56668
胸囲の目安80-8888-9696-104104-112
身長の目安155-165165-175175-185175-185

チャンピオンの青タグ、リバースウェーブC3-W102とは。

青タグとは、日本人の体躯により似合う作り。製造はアメリカではないが、より洗練されたスマートなシルエットとなっている。生地感は11.5オンス洗い工程を経ている為、それ以上の横縮みがあまり起こらない。新品を試着した時点でイメージが完成する。洗った後も同様の感覚でサラッと着用できるのはメリットであろう。

よりタイトな青タグ。

印象はスッキリとしていてタイト、立体感も素晴らしい。細身体形でも良く似合う。首周りやフードも素晴らしく、12.5オンスの赤タグと比較しても同様に型崩れしにくい。その格好良さがいつまでも維持できるように設計されている。

また寒さ厳しい時期には、インナーとしても活躍する。勿論そのサイズ感は、赤タグの場合と同じくして、表示サイズがそのまま日本サイズであると捉えてよい。部分的には赤タグと比べて仕様の異なりが多少あるが、それでもチャンピオン製品としてのクオリティは十分に維持されており、長年の使用に耐え得るものである。むしろそんな使用感が風合いの良さと味わい深さになっていく。

一般的なパーカーの概念を持って、それを価値基準としていると青タグの上質さに感じ入る。生地は肉厚であり、その形状は洗練されている。70年代を彷彿とさせるレトロなプロダクトデザイン。青タグも同様に素晴らしい逸品であること間違いなく、いいものを持つ喜びも大きい。

チャンピオンの青タグ、C3-W102
サイズ(cm)SMLXL
身丈60636669
身幅51545760
肩幅41444750
袖丈60.56263.565
胸囲の目安80-8888-9696-104104-112
身長の目安155-165165-175175-185175-185

レビュー:赤タグパーカーC5-U101は、ざっくりカッコ良い。

ラフに、休日を過ごす。

チャンピオンの赤タグ、その着心地の良さは抜群。とても暖かで動きやすい。スポーツ衣料メーカーの作る王道パーカーは、まさに逸品であるといえる。Tシャツの上からただ着るというだけで、そのシルエットの秀逸さによって無性にカッコ良く着こなすことが出来る。その快適さはすこぶる良い。決まりすぎないというラフさが、この場合のお洒落であると言えよう。

そしてやはり製造国が、メイドインUSAであるところもその価値を高めている。素晴らしく洗練されたデザインは当然として、更に12.5オンスという肉厚生地は、それ自体がコーデの花形となれる資質がある。それが赤タグであればこそ、能動的アクティブな休日、よりリラックスした休日を両立して愉しむことが出来るのである。

ときに自然の中に身を置く。

もっとアウトドアに、もっとインドアに。予定に縛られず、その時次第、自然な暮らしを取り戻す晴耕雨読せいこううどくな時間。その天気に関わらず、たとえ太陽が陰って日に照らされていなくとも、気分はいつだって陽気ポジティブに過ごすことが出来る。ただ本能的で、ただ動物的な、そんな豊かなひと時を取り戻してくれるような衣服。ラフで、ざっくりとしたカッコ良さを持つ、それこそがチャンピオンの赤タグパーカーの圧倒的な魅力なのである。

チャンピオン赤タグパーカー、特に優れたポイント

優れたる点として、このパーカーというアイテム一つでコーデが完成する素晴らしさがある。どんな体形、どんな性別でも似合うという普遍性。普段からシャツやジャケットなどかっちりとしたコーデを主体としていても、このパーカーならばカッチリとしていて洗練されている為、すんなり取り入れられる。カジュアルアイテムに多少抵抗があっても、上品でいて、しっかりと形状を保ってくれる赤タグパーカーであればこそ、必ずやカッコ良く着こなすことが出来る。

簡単に決まるUSAコーデ。

個人的に身長約170cmで青タグはSサイズを着用し、着丈を短めに設定。インナーメインで用いることを主としている。また赤タグはMサイズを着用し、着丈を丁度良く設定。インナーを着込みながらアウターメインで活躍している。いずれにおいても、その生地感を考えながら両立させると素晴らしく汎用性に優れた用い方が出来る。そのように考えていくと季節や着回しなど、その時の状況に応じて柔軟にチャンピオンのコーデを愉しめるようになる。

チャンピオン赤タグパーカー、苦手とするところ

一般的な店舗として売っているところが少なく、青タグと比べると試着などして実物を手にして確認できる方法が少ない。その為、質感などという肝心なポイントが購入するまで分かり難い。上質感など高品質さは一見するところで分かるが、手にするまでそうした良い部分が目隠しブラインドがちになる。ただし、届いた時に一たび目にしたときの喜びは確実に存在する。

ブログ:チャンピオンとメイドインUSAのシンプルコーデ。

made in USA、ドンケF-6とリーバイス。

チャンピオンのスウェットは、アメカジファッションにおける定番アイテムの一つ。特に赤タグはMADE IN USAメイドインアメリカであるところが嬉しい。そんな赤タグに似合うアメカジの定番を探訪しながら、同様に米国製で揃えるという着こなしコーデを提案したい。アメリカの息遣いに感じ入りながら、質実剛健なる米国製品をたしなみたい。

TシャツChampion T1011
パーカーChampion C5-U101
アウターFILSON Mackinaw Cruiser
ボトムスLevi’s 511(Made in the USA)
カメラバッグDOMKE F-6

アメカジでも、シンプルに着こなすと落ち着いたコーデが完成する。上記のような伝統ある逸品を時々の休日に選び出かける。いろんな場所に違和感の無い恰好で、フィルムカメラ片手に散歩する旅。

リーバイスを合わせる着こなし。

アメリカのアイコン、リーバイスのジーンズ。

Levi’sリーバイスはゴールドラッシュの最中である1853年にドイツからの移民、リーバイ・ストラウス氏によってアメリカ西海岸のサンフランシスコで誕生した。当初は帆布を用いて鉱山や港湾などの現業労働者の為、より頑強なパンツを開発。後に生地をリベット補強する方法が完成し、その生地を帆布からデニムに変更。質実剛健、アメリカのアイコンともなった”ジーンズ”という名品が誕生した。

米国製チャンピオン、安定のリーバイス。

帆布やデニム生地を織る際に使用したシャトル織機は、その改良によって産業革命の発端ともなった。またその生産方式により、シャトルという言葉は往復するという形容に転用されている。それで織られたものは、ヴィンテージ生地の代名詞ともなっている。セルビッチはシャトル織機で織った際にできる耳、生地端のほつれ止めのことを指しているが、リーバイスではセルビッチの中央に赤い糸が使用されたことから「赤耳」と呼ばれて親しまれる事となった。

リーバイスのセルビッチを象徴、赤耳。

ヴィンテージデニムの代名詞であるセルビッチデニム。現代においてはシャトル織機よりも時間にして5倍以上という生産効率の極めて高い、エアジェットなどコンピューター制御の革新織機が誕生。それによって耳とも呼ばれるセルビッチの必要性が無くなった。シャトル織機は維持管理に費用が掛かるばかりでなく、扱う職人にもある程度の熟練度が必要であるという。ある意味で、そんな非効率さが価格に反映されているのであるが、経年劣化による味わい深さにも定評がある。

旅とデニム。

もちろん均整の取れた革新織機で織られたデニムも良いが、人の手が加えられた不均一な製品のほうが、全体として自然的なバランスがとれており、見ていて気持ちが良いというのは不思議なもの。履いていてより気楽なのは、最新のストレッチデニムのほうであるのかもしれないが。いずれの製品においても、好まれる理由がある。

バックスタイルも兎に角カッコいい。

リーバイス511は、見た目はすっきりとしていながら履き心地はゆったり。そんな風に”見る”と”使う”を共に追求したモデルである。501のような伝統にのとったジーンズ本来のクラシカルな余韻を残しながら、現代的な細身のシルエットを取り入れた比較的新しいモダンなシリーズ。作業着というよりは普段着としての装い、そんな風に新しく定義された型番のように思える。

時代を経るにつれて、ジーンズも作業着というより普段着というようなファッションとして認知されつつある。そんな時代を象徴するかのようなシリーズである。バックスタイルのカッコよさは格別。リーバイスの古典とも定番ともいえる501も時代の潮流に合わせ、少しずつ変革を遂げている。そんな501が古典派ならば、511は新古典派ともいえるような製品である。

アメリカ製とのさりげない主張。

ジーンズは、時の語り部だ。

生地の生産から縫製までをアメリカ国内で製造されたモデル。”MADE IN THE USA”コレクション。往々にして現行モデルは、ジーンズの保守層からすればやわな製品だと思われがちである。たしかにデニムの殿堂とうたわれたコーンデニム社のホワイトオーク工場で生産されたデニム生地を使用したモデルではない。しかしどんなものでも変わらない事は、実質的な価値を守ることにはならない。リーバイスもしかり、伝統を現代に適応してこそ、その神髄を保守できるものである。

縫製の方法など細かい部分の仕様は、時を経るに連れて変遷し続けている。それが如何いかなる理由であったとしても、現代において考えられる最良なるジーンズの形であれば良いのである。例えば、第二次世界大戦モデルで、コインポケットにリベットを打たないという製品があっても、現代においては価値があるのだから。

ファッションは常に世相を反映する。その時代におけるジーンズの形が、まるで歴史を物語ってくれているようだ。時として異なる意味を持ち、希少なる価値を持った存在も勿論あれど、変わらぬ事柄もある。事実、いつの時代にあってもジーンズは、ジーンズであった。現代においても、シンプルで頑強なパンツとして人々から認知されている。そんなジーンズを今もリーバイスが作り続け、誰もが手にすることが出来る。それだけで、素晴らしく喜ばしいものである。

フィルソンを合わせる着こなし。

フィルソンのベルトとベスト。

FILSONフィルソンは1897年にクリントン・C・フィルソン氏によって創業された。氏は当初アメリカ中部のネブラスカ州で鉄道員として従事していたが、起業する夢を携えて西海岸のワシントン州シアトルへ向かう。そこでゴールドラッシュに駆けつけた鉱山労働者たちに情報案内所を開設。それを足掛かりにして鉱山、林業、漁業といった劣悪環境下で従事する労働者に向けて、最高品質の装備を生産し始めた。その合言葉はMIGHT AS WELL HAVE THE BESTどうせ持つなら最高のものをであった。

フィルソンのベルトは、頑強そのもの。

設立以来、天然素材と最高品質の二本柱に支えられ、アメリカ国内での製造にこだわったフィルソンは、その使用者達から製品に対する大いなる信頼と安心を勝ち得てきた。それは同社において伝統的に用いられている生産方式に依拠いきょするところも大きい。一人の職人が一つの製品を最後まで作り上げる“FILSON UNIT GARMENT METHOD”という生産方式である。

フィルソンを代表する、マッキーノクルーザー

その実現の為には職工や職能の高い熟練度を必要とし、職工の製品に対する責任の所在までも明確にする。こうした企業文化が、まさにフィルソンという企業の名前を今日まで背負ってきたのである。その優れた品質から「親から子へ、子から孫へ」と多く着継がれているようだ。

made in USAで、セットアップ。

世代を超えて、受け継がれるような丈夫さ。現代にあっても、そんな価値が合わせて見直されても良い。使い手の心が宿る大切な品々。その意志までも引き継ぐことを可能とするプロダクトが、今でも必ずや存在するはずである。きっと本物のメイドインUSAは、それを実現するに相応しく、また一番身近にある存在であるに違いない。タフな使用に耐え、経年の味わい深さに感じ入るヴィンテージ。そんな日用製品の代名詞が、ジーンズやパーカーといったアメリカンな古着なのである。

冬の街歩きも暖かに。

勿論、赤タグパーカーとの相性は至高。運動着と作業着の組み合わせは、素晴らしく着心地が良く、機能性も抜群。更にはラフでありながらカッコ良い着こなしが完成する。チャンピオンの赤タグパーカーとフィルソンのマッキーノクルーザーを組み合わせれば、街歩きに大活躍すること必定。ただただ冬でも暖かで快適に過ごすことが出来る。街中のファッションとしてもいきでカッコいい。

チャンピオンC5-U101×マッキーノクルーザー

カメラバッグは、メイドインUSAのドンケで。

晴れた休日には、ふらりと出かけたくなる。手ぶらでポケットにコンパクトカメラを忍ばせて、時には贅沢に一眼レフを鞄に放り込んだりして。そうして普段は見逃しがちになる足下や頭上に少しだけ意識を傾ければ、小さな発見が大きな感動をもたらしてくれる。そうした時間は、人生の糧なるひと時。

メイドインUSA、ドンケF-6

極々身近な場所で得られる、ちょっと贅沢な時間は、決してハワイやタヒチのビーチだけの特権ではない。休日にこそ、普段見失われがちな時間を恢復かいふくしていくのである。晴れた日は、自分にとって最上で贅沢な時間を。どこへだって快く向かうことが出来る、シンプルでタフなメイドインUSAなる品々を備えて。

陽気差し込む休日にドンケF-6を背負い、コンパクトフィルムカメラCONTAX T3で撮影。付属のインナークッションは取り外し可能、通常のバッグとしてもカッコいい。ある時はカメラを放り込む。

コラム:アメリカの伝統的な物づくりも、凄い。

日本の物づくりを考えてみると、民藝みんげいや伝統工芸のように家内制手工業や工場制手工業マニュファクチュアを源流としている部分が大きい。対してアメリカの物づくりは、独立当初より人口の少なさに起因する労働力不足を補うための機械化、工業化によって支えられた。

電話の発明で有名なグラハム・ベル氏が創立した電話会社の研究機関で、勤めていたウォルター・シューハート氏によって品質管理QCという言葉が生まれたという。そうした思想がアメリカで生まれたことからも伺える通り、大量生産を基盤とする工業製品であるにも関わらず、同国では均一で高品質な物づくりと生産方式が盛んに追究されてきた歴史がある。

ちなみに日本の工業製品は戦前には「安かろう悪かろう」と揶揄されるほどであった。戦後になりアメリカからエドワーズ・デミング氏が招聘され、日本は世界的に見ても一流の品質管理技法を獲得するに至った。

その後、高度経済成長期には日本的に適応したQCサークルと呼ばれる技法によって、世界の市場を席捲することとなった。品質管理の本場、アメリカにおいて「ジャパンアズナンバーワン」とさえ謳われる時代まで訪れる。このデミング氏は、上記のベル研究所でインターンシップを行い、シューハート氏の品質管理技法を学んでいたのである。

ところでアメリカにおいて、西部開拓時代には労働者の為により頑強でより実用に耐える製品が需要され、良質な工業製品が多く供給された。リーバイスやフィルソンなどアメリカの金ぴか時代を支えた労働者たちにも支持された歴史ある製品に今でも触れる事が出来るというのは喜ばしい事といえよう。

ただし近年のアメリカ企業は、製造業ながら自社工場を持たなくなり企画だけを行うファブレス化が進んでいる。もしも工場があったとしても海外移転が進められたりと純粋なる伝統的な高水準のアメリカ製品を手に入れるというのは困難になりつつある。

しかし単純に、現代にあってアメリカの工場で作られた製品を手に入れられるというだけでも十分満足を得ることが出来る。発展途上国で作れば安く済むところ、全く同じ品質で先進国で作るのであれば、ただ高くつくというだけの事。ただし、そこには付加価値が必ずや存在しているものである。

先進国のモノづくり、その心意気に感じ入る。

モノづくりは大規模な機械化や工業化が行える分野は脇において、特に衣料品などの労働集約的産業は先進国において、少しずつ失われ行く圧力が掛かる。この場合、経済学者ウィリアム・ボーモルが仮定した理論。経済発展と生産性向上の狭間で憂き目にあう「ボーモルのコスト病ボーモル効果」は、まさにこうした伝統ある製造業が、いつも直面する難題を理解する上で一つの指針と成り得る。

衣料品のように大規模な機械設備の導入が行いにくく、主要な工程において人的資源の投入が必要な分野においては、経済発展における社会全体としての経済効率性の向上に比して生産性の向上が立ち遅れがちになる。

例えば、熟練労働者におけるミシン縫いの作業時間が過去10年前と比べて変化があるであろうか。実は、看護師の包帯を巻く時間。大学教授が生徒の文章を添削する時間。オーケストラに必要な人数。こうしたものに殆ど変化が無く、労働集約産業における生産性に目を当てると労働生産性の向上が見られないのだという。

先進国において、経済発展と共に社会全体の生産性向上が図られているにも関わらず、労働集約産業においては生産性の向上が見られない。その為に人的労働に頼るしかない産業においては、GDP上昇に対して、それ以上に費用が増大するジレンマを抱えることになるという。これはまさに、伝統産業が共通して抱える問題でもある。経済発展がかえって産業を圧迫するのである。

こうした産業において単純に実質的な価値を据え置く事を念頭に置いたとすれば、工場を人件費の安い発展途上国などに海外移転するか、素材そのものを見直したり、新たな販路を拡大する道を模索する事になる。それは企業努力として当然の帰結。つまり先進国において伝統ある労働集約産業を維持するというだけでも相当な心持ちと度量を必要とするものである。

衣料品を先進国と発展途上国で比較するとき、全く同じものを売るとすれば、安い価格のものに明らかに選択の余地がある。それはつまり先進国のモノづくりは、同じ物を売るというだけで遅れを取るという事なのである。そこには何らかの付加価値が無ければならない。少なくとも先進国製の品々にはそれぞれに魅力的な付加価値があると言えるが、根っこで共通するところ「信頼」や「安心」では無いかと思える。

労働集約産業では何処かで必ずや人の手が加えられ、それを人の目で見て確認する。そうした人の手や目の後ろには必ずや心が控え、そこに施される仕事に反映される。先進国のモノづくりは大量生産と大量消費によって賄われるものというよりは、より良いものをそれを欲しい人に、という場合が多いように見受けられる。そんな心意気ある製品を使うことのできる喜びは、ただただ嬉しいものである。

メイドインUSAを代表するアパレル、チャンピオンやフィルソン。それらの製品を今の時代にあっても購入でき、それを愛用する事の叶う幸運を思いながら。

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このコラムの筆者
ZINEえぬたな

"古典は常に新しい"をモットーとして、相続されるべき普遍的な「価値」を次世代へ継承。

個人で編集するZINEをブログ上で運営。「えぬたな」は一つ一つの記事を読み切りとして編集。自らの写真と文章で、ヒトの思いを伝え、世の中の良いモノ、残すべきコトを紹介。

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