「やったやった、要らないモノが売れたぞ!」歓喜の声を高らかに上げる。
フリマアプリを始めたのも数年前から、元々は買い物専門であったが、ちょっと前からは売る側にも回ったりながら、少しずつ断捨離を始めていた。そうした不要なものが、ちょっとしたお金になる感覚は、今の時代をよく反映しているようだ。家の中を片付けている中で、使うようでいて使わないというものが多い現実に、夫婦でため息しはじめていた。
我が家では、不要なものを数年かけてコツコツと処分していたのであるが、そうして少しずつ溜まってきた資金も塵も積もれば、天保山1。週末を利用して出品。何かが売れると、いつまでもほんの僅かな利益であっても、有頂天になるように嬉しい。このようなWIN-WINシステムを世に生み出してくれた人たちと企業に乾杯。
そしてこれが、新NISAを始めるに当たって、多少なりとも資金源にもなってくれている。株式は急がば回れ。堅実な運用にしたいところであって、将来の為でもある。「決して現在の生活を破滅させてはならない。」されど、株にも博打に近しい熱狂が渦巻いている事は想像に難くなかった。だからこそ、こうした降ってわいたような資金を元手として、実際に株を買ってみると気がずいぶん楽である。
普段からタバコや酒を嗜むわけでもなく、仕事が終われば家へ直帰。休日には夫婦で自然に繰り出してハイキングや散歩などをし、写真を撮って過ごすような生活。また最近の物価高で誰もが意識しているような健康第一の無理のない節約。そうして浮いたお金を新NISAで投資に回す程度のゆとりあるスタンスで取り組んでいきたい。
そういえば、最近読んだ株の本。アレキサンダー・エルダー氏著『ザ・トレーディング』にも、「歓喜に足をすくわれていては、理に適わないトレードをして損をしてしまうでしょう。恐怖に取り憑かれていては、儲かる機会を逸してしまうでしょう。」「感情的なトレードは、とても高くつく」などを書かれていたことを思い出した。
先日の持ち株。急行直下の暴落も、自らを納得させる材料がしっかりと揃っていて、しかも生活をかけて勝負するような、デカく一発当ててやろうという気持ちが無かった為、風林火山でいうところの”動かざること山の如し”と相成れたのかもしれない。所持5銘柄では、今のところ包括的に含み益を抱えており、暴落した銘柄も中々の勢いのまま、その値を戻している只中。
さては、中長期的な運用を視野にいれた賢者、熱心にチャートを見ていない株主にとっては、こんな激動のドラマが繰り広げられていたことも知る由もない訳で。兎にも角にも、一喜一憂しすぎず、冷静な頭が何より重要であるようにも思えてくる。
きっとそうだ。
魚釣りと同じような感覚に違いない。
- 天保山:大阪にある、以前は国土地理院によって日本一低い山とされていた山。標高4.5m。 ↩︎