サンプラーの名機、ローランドSP-404SX。無類のエフェクト、ビートメイクの定番。

ビートメイク

Rolandローランド社は電子楽器、シンセサイザーの老舗として言わずと知れた存在。多くの名機を開発し、生産してきた同社。サンプラーにおいては同型でロングセラーを続けたSP-404型は、その界隈において名声を獲得し続けてきた逸品である。とはいえ電子楽器の難しく同時に面白いところは、その使い方が一定ではなく、愛用者によって各々の千差万別ともいえる用途がある点である。

このサンプラーも主要な使い方、基本的な使い方というものが存在してはいるが、その使い方のみに限定されるべきものでもない。だからビートメイクとして一曲まるまる完成させる事も出来るし、効果音のポン出しに限定させる事も出来るし、即興的な演奏に特化する事も出来るし、SP-404を2台とミキサーでDJとか、音作りやエフェクトのみに頼るというのでも良い。であるから購入者は、逆にその広すぎるほどの選択肢に困惑してしまうところが玉にきずといったところである。

だがこの迷えるほどの広大な大海原に一旦漕ぎ出してしまえば、その自由度の高さに冒険心がくすぐられてしまうというもの。そもそも音という新境地を探訪する気持ち良さは、格別なものなのだから。2009年の発売開始から12年という長きに渡り、サンプラーの定番として君臨した同製品は2021年にディスコンとなり、次世代機のSP-404mk2へと襷を繋いでいる。

何時でも何処でもヒップホップ、SP-404SX。

ローランドSP-404、名機と歩む。

必需品と言わぬまでも、特にHipHopヒップホップ界隈のビートメイカー御用達の機材としてもやたらと著名なSP-404SX。レコードやCDなどの外部音源からのサンプリングは当然、王道的な使い道と言える。SP-404SXならばサンプリングした音を数多あまたの秀逸なるエフェクトの数々によって、全く別の音として存在させる事も出来る。だからサンプリングをただのパクリだと断言するのも早計、寧ろよりクリエイティブな創造的行為であるとさえ思える。しかも一台で29種類もの優れたエフェクターとしての役割もこなすことが出来る事は、特筆に値する事実である。

おひとり様、野外レイブとなりて。

サンプラーであるから一つ一つのパッドには、当然サンプルを録音させることが出来る。バンクA~Jまでの各セクションに12パッドがあり、すべてに音を入れることを考えると[10セクション*12パッド=120個」という十分な数のサンプルを収録する事が出来るのも嬉しい。しかも各パッドにはステレオで最大約180分(2GB)という長さのサンプリングが可能である。つまりはパッド一つで一曲まるまる、いやアルバムまるまるでさえサンプリングすることを許容してくれるのだから、これもまた十分な容量であろう。ちなみに保存できる容量としては、最大32GBのSDカードに対応する。

野外でビートメイク、ひとりさまレイブ開催も。

いつでもどこでも、音を楽しむ。

パッドに自分の楽曲を仕込んで置き、ループ再生を楽しんだり、エフェクトをかけてライブする。そんなことはSP-404SXにとってお茶の子さいさい、お手の物という事になる。しかも嬉しい事にDC電源の他に電池駆動も可能。6本の単3電池によってアルカリ電池なら約4時間、充電式ニッケル水素電池なら約5時間もの使用が出来る。これにヘッドフォンやイヤホン、携帯型スピーカーさえあれば、それが野外であってもサンプラーで音を楽しむ事を良しとしてくれるというのは、望外の喜びである。

携帯型スピーカーとSP-404SX

バッグに水筒やペットボトル程度の大きさの携帯型スピーカーやイヤフォンを忍ばせ、おひとりさまの野外イベントを開催というのでも気持ちが良い。勿論、キャンプやBBQで音楽と共にあるというのも一興である。となれば質の良い充電式ニッケル水素電池や野外使用も想定された防塵防滴仕様の携帯型スピーカーなど、こうした用途とも非常に相性の良い製品を備えていたいところ。

ノマドなサンプリング、Spliceとスマホにて。

ノマドなビートメイク環境を手に入れる。

外部音源を接続して録音するというのは、前述する通りにサンプラーの使い方としては一般的なもの。何時でも何処でも気軽にサンプリング、ビートメイクする時にはスマホと接続するというのも好い。ネットには無尽蔵なる音源に溢れているが、やはり倫理的で合法的で合理的にサンプルを探すには打って付けのコンテンツと連携させるのが吉である。楽曲制作におけるプラットフォーム「Spliceスプライス」の位置づけは、ビートメイカーにとって重要となる選択肢であることは間違いない。

サンプラーSP-404SXで、即興演奏も。

SP-404SXにはシーケンス機能も備わっており、クオンタイズにも対応しているため、楽曲制作までも可能である。たとえば外出先で音素材やドラムやベースラインといったリズム隊だけを完成させ、DAWで肉付けやミックスを本格的に完成させるという方法など、そのようにして考えていくと製作者の数だけ何通りもの方法論が唱えられるであろう製品である。そうして当然ながら、ヒップホップだけでなくハウスやテクノでのビートメイクでも活躍させることができる。

野外でも、ビートメイクが可能。

さてSpliceスプライスは、プロアマ問わずしてミュージシャン御用達のサービス。著作権の問題にも振り回されずに済む。しかも視聴しながら必要とするサンプルのみを殆どが1クレジット消費で手にすることが出来る。更に定額と従量課金の間をとった非常に利便性の高いサービスで、月額支払いのランクに応じたクレジットを補充し、それを消費してサンプルやMIDIデータ、ソフトシンセのプリセットなどを入手する事が出来る。またキックやスネア、ハイハットやコードやメロディなどあらゆる音源がワンショットからループまで揃っており、当然SP-404SXのシーケンス機能でビートメイクする際にも利便性が高い。

SP-404SXを掲げる。

クレジットが消費し終えなくとも、それを繰り越すことが出来る上、サービス停止してもクレジットの消費は出来る為、いつでも再開が可能というのも安心感がある。分野を問わず、楽曲制作にとっての恩恵は多大だ。$7.99のクラスでも月に100クレジットが付与される。これでも一般的には十二分であるからお財布にも優しい。実は下記URLからSpliceへと登録すると、登録者と紹介者のお互いに100クレジットがサービスで追加付与される。ビートメイクする仲間がもしも身近に居たり、新たな仲間を増やしていく際に、各人の紹介URLから登録することで、誰もがWINWINとなれるサービスである点も喜ばしい。

上記は実際に作ったオリジナルのトラック。このような楽曲に加えて、SP-404SXなどを用いてエフェクトを掛けたりするという事も出来る。DJプレイや楽曲制作といった多くの場面で選択肢が広がっていく。驚くべきことに、後継機種であるSP404mk2では、ミキサーを介せずとも一台でDJプレイを実現することが出来るようになっていたりする。

SP-404SXの接続方法とは、スマホやiphoneとの繋ぎ方。

キママ、ノマドなビートメイク。

勿論、PCやオーディオ機器から繋げてサンプリングする方法は一般的であるが、オーディオ出力できる機器であれば基本的にすべてと接続できる。そこで巷に溢れる膨大な音源に触れる事が出来るiphoneなどのスマートフォンとの連携は、SP-404SXなどのサンプラーにとって非常に魅惑的な選択肢と成り得る。イヤフォンジャックを2系統のステレオに分けてLINEイン接続することで、コードやアダプターのみでも十分に録音環境が整う。

select 01. スマホと直接つなげる。

スマホと直接接続する方法。

この方法によって直接的にiphoneやipadと接続する場合には、アップル純正であれば「Lightning – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」や「USB-C – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」などが別途必要となる。ただしこのように直接接続する場合には、音量や音質の出力に多少の問題があるところである。

select 02. アンプやオーディオインターフェイスに接続。

音量調整と音質向上を図る方法。

そこでこのシステムには丁度良い、コンパクトなヘッドフォンアンプやオーディオインターフェイスを介する事で、この問題の解決に方向性を見定める事が出来る。上記のシステムでは、Apogeeアポジー社のJAM+を使用して録音している。iphoneやipadなどのiOS、windows、macなどと直接つなげることが出来て明らかに音質を改善。更に電源を供給する事まで出来る。さながらスマートでコンパクトでノマドなビートメイク環境という訳である。

Roland SP-404SXの使い方および外観

SP-404SXの上部、接続端子。

上部接続端子は、DC交流電源、ON/OFFスイッチ、MIDI入力、LINEステレオ入出力。電源は付属のコンセントのほかに前述のとおり6本の電池駆動が可能。その為本格的に音質にこだわる場合、電子楽器にとってはシビアな部分でもある電源によるノイズもクリアできる。といっても付属の電源インバーターで特に気にする必要もないのであるが。

SP-404SXの下部、接続端子。

下部には、ヘッドフォンなどの音声出力、マイクなどの音声入力、マイク入力の音量ダイヤル、SDカードスロットなどが配置されている。ちなみにこのフォン端子やマイク端子は、3.5mmのミニプラグではなく6.35mmのフォンプラグである点に注意したいところ。ちなみにSDカードスロットには両サイドに爪がついた保護カバーが被せてある。

SP-404SX付属のSDカードとスロットの開け方

付属のSDカードには、サンプルも収録。

SDカードスロットには既に、SP-404SXに付属したものが挿入されており、そこには多くのサンプル音源も収録されている。ちなみにこの付属SDカードの容量は1GBである。市販のSDカードを用いる事でより長い時間のサンプルを収録できるようになり、この場合は最大で32GBまでの容量に対応している。SDカードを交換する際には、SDカードスロットのカバーを外す必要がある。

本体裏のネジを外すのを忘れずに。

購入当初は、SDカードスロットのカバーがねじ止めされていることに留意したい。このネジを外す際にはプラスドライバーが必要となる。無理にカバーを外そうとすると、カバー自体が破損したりする可能性もある。このネジは、輸送時の紛失などを防止するために設置されている様である。説明書に同封された小さな紙にも記載があるが、一度外したネジは処分してしまって構わない。

SDカードは信頼性の高さ、書き込み速度も鑑みる。

市販のSDカードを用いる場合には、安定性や信頼性が高く、書き込み速度などにも留意したい。こうした条件を求めるならサンディスクエクストリームプロなどというのは有効な選択肢である。読み込み、書き込み速度ともに快適であり、読み込みの際などの安定性も良好。写真趣味でデジタルカメラなどを使用していると分かる事であるが、プロアマ問わずしてサンディスクの支持は固いものがある。同様の理由で、カードリーダーも信頼性の高いものを選ぶのが吉。

外部音源のLINE入力、サンプリング。

ライン入力にて、サンプリング。

レコードプレイヤーやCDプレイヤー、スマホなどあらゆる音源のサンプリングに使用するLINE入力の接続。

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このコラムの筆者
ZINEえぬたな

"古典は常に新しい"をモットーとして、相続されるべき普遍的な「価値」を次世代へ継承。

個人で編集するZINEをブログ上で運営。「えぬたな」は一つ一つの記事を読み切りとして編集。自らの写真と文章で、ヒトの思いを伝え、世の中の良いモノ、残すべきコトを紹介。

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