ハンチングといえば、キャップに比べると少しだけ敷居が高いように感じることもある。しかしながら、このカンゴール504ならばストリートカジュアルとの相性も良く、多くのコーデと合わせることができる。キャップと同じような感覚で被りながらも、少しだけドレスアップするような印象。カンゴールがイギリス発祥の帽子メーカーであるという事から、ヨーロピアンカジュアル、1970年代に英国の労働者階級で流行したモッズなファッションとの相性も良い。
また同じく1970年代における米国のストリート、ヒップホップシーンにおいてもカンゴールの504を用いたコーデは定番でもあった。ハンチングを後ろ被りするバックトゥフロントはこのようなストリートなファッションから一般的に流行することになった。カンゴール社のモデル着用例においても、この被り方を紹介しているくらいである。特に後頭部の中央部にロゴが入っているモデルは、バックトゥフロントとの相性も優れて良い。しかもこの場合には、まるでビーニーとベレー帽のように着こなす事が出来るばかりでなく、特に違和感や羞恥心を感じることもない程、極めて敷居の低い帽子と言える。
カンゴール504、ハンチングのかぶり方。逆のバックトゥフロントも。
カンゴール504。それはキャップと同様に被りやすく、フィット感も良い。キャップのようでキャップではない。後ろ被りではベレーのようでいてベレーではない。そうしたハンチングならではの被りやすさとシルエットの面白さが実に心地よく、街歩きも清々しい。カンゴール社において、1954年に誕生した504。木型の型番であるというのだが、第二次世界大戦後間もなくより製造され続け、今も支持されている定番中の定番であることが信頼の証でもある。
概してキャップの場合には、カジュアルに寄る傾向が大きい。ただ504ハンチングの場合には、普通に被ったり後ろ被りしたりしながら、好みのスタイルで意外にも多様な場面で通用するというのも嬉しい。一着持っておくと、これ幸いに便利な帽子である。老若男女を問わず、誰もが気軽に被ることが出来る帽子でもある。何かの時に有用な帽子、特に504ならば最初の一つとして持っておくハンチングとしてもおすすめの逸品である。キャップ同様の感覚で、ただ被っていれば良いのだから。
またオシャレすぎず、気張った感じを受けないというところも大きなポイントである。このような点から鑑みても、シンプルにTシャツとデニムといったコーデとも相性が良い。纏まりがある中でも、ちょっとしたワンポイントとしてのカンゴール504は、個人的にも非常に好ましいコーデ。特にトロピックならば、頭部を決して蒸れさせず涼やかに保つことができる。メッシュ素材で洗えるというのも嬉しいところで、歩き回る休日には最適。
当たり前ながら、通常の被り方でもすっきりとした印象で渋いカンゴール504。ただ504をバックトゥフロントで被ったところで、どの方向から見ても破綻しない綺麗なシルエット。やはりとても好ましい雰囲気である。ハンチングといえば、製品に応じたゴルフやおじさんといったイメージがやはり大きい形態。それでも用途に応じた被り方で、大人めコーデにも、ストリートなコーデにも、様々なスタイリングが可能であるというのは非常に嬉しい。
504という形にはウール素材のものも存在しているが、特に春夏コーデにおいてはシンプルな装いになっていくところ。ハンチングとして使用するのも良いし、バックトゥフロントで少しだけ変化をつけるなんていうのも好い。実際に手に取ってみると、その質感も美しい。また中央部にカンゴールのロゴを配するというデザインであるからこそ、ハンチングをバックトゥフロントに被るという方法でアクセントをつける事が出来る。
勿論、ジャケットやシャツと組み合わせるというのも良いし、Tシャツやポロシャツなどラフに組み合わせても良し、そうして様々な組み合わせで楽しむことが出来る。しかもトロピックという素材感のモデルであれば、メッシュ感もあって化繊生地。通気性だけでなく、速乾性も期待できる。暑い夏にもぴったりの製品。かといってウール素材なども用意されている為、寒い冬場にも被りたい。四季を問わすに愛用する事も出来るという、まさに万能の帽子である。
また柔らかな生地であるから、バッグの中に畳んで入れておくという事も簡単にできる。嵩張らないという利点も街歩きではアドバンテージ。そういう意味においては、常に被っておくという必要もない。好きな時に被り、好きな時にそっと鞄の中にしまっておける。