カシオ社のG-SHOCKといえば言わずも知れたハイテク腕時計。重力の頭文字Gという名を冠しているだけに、生みの親である伊部菊雄氏によってたった一行提案書に記入し提出された「落としても壊れない丈夫な時計」というコンセプトを基本軸として志向。それがそのままの形で実現した名品である。常識外れの頑強さについては改めて語るまでも無い程に、世界的にその名声を勝ち得ている。
腕時計に最も求められる時刻表示が見やすいという点を確実なものとしながら、精密機器にとって難題でもあった頑丈さを希求。特に1983年に販売されたファーストモデルDW-5000Cのスクウェアデザインを踏襲したオリジンとも謳われる5000/5600系。GW-M5610-1JFなどを始めとして、この系譜を受け継ぐ製品群は、確実に原点としてのシンプル&タフな質実剛健さを備えた逸品である。
Gショックが体現する夢、落としても壊れない丈夫な時計。
この「落としても壊れない」というコンセプトを実現させる為に、当初は時計にゴムを巻き付けて3階から自然落下させて少しずつ厚みを増やすという方法で実験が繰り返された。結果としてソフトボールの様な巨大な実験機が生まれたのだと言うが、5段階の衝撃吸収構造を採用する事で大きさの問題をクリア。更に心臓部を空洞に宙吊りにする方法を考案し、Gショック構造と呼ばれる点でのみ接触する心臓部浮遊構造を完成させた事で飛躍的に堅牢性を高めた。
この様な種々の新技術開発と採用によってGショックは類稀なる頑丈さを備え、あるいは使用者はそんな夢の様な腕時計を手にする事が叶う様になっている。しかもGW-M5610-1JFにおいては、ファーストモデルから連綿と受け継いだ視認性の高いデジタル表示や優れた耐久性に加えて、より正確な時を刻む電波受信機能や少しの光で動力に変換する事のできるタフソーラーを搭載し、もっと信頼性を高めている。
これらの機能は決して蛇足ではなく、時計として必要最小限度の基本機能を更にグレードアップしている点も支持されるべきところである。薄型で在りながら、信頼ある時刻と強靭さは武器。己の選択が正しくある為に、アウトドアではこの信頼性は絶対的に必要に思える。スマホだけでなく腕時計を持ち歩くことで、刻一刻の時間の確認が簡単にできる。これによりコースのタイムキーピングなどでも当然ながら役に立つ。
ところで80年代にはGショックシリーズに並行しながらもチープカシオとして有名なシリーズの開発も行われ、1989年には世界的にも普及しているF-91Wというモデルも販売されている。圧倒的に安価であるにも関わらず、秀逸なる頑強さを備えているカシオの名品。電池寿命は7年ともされているが、20年以上駆動していたこともユーザーから報告されることもある程。信頼性ある日常生活防水と重量21gという超軽量性によって普段無意識でいながらも、ふとした瞬間に時間確認が出来るという腕時計の本旨に沿った究極体のような存在である。
とはいえ、それでも自然には外れにくい樹脂バンド、サイドボタンに触れにくいガード部分など、より活動的でアスレチック、より自然派のアウトドアなシーンにおいては、やはりGショックの方に軍配が上がる。必要最小限度を志向するウルトラライトハイキングの思想に合致するところ、チープカシオのF-91Wも名品でありながら、その上位互換にあたるようなモデルがこのGW-M5610-1JFであろうとも思える。ポケットに放り込むシーンがあったとしても勝手に操作されない、そんな風に何気ない瞬間のポイントが高い。
このように性能としては数値上のスペックとして反映されにくい所にまできめ細やか配慮が行き届いているという魅力がGW-M5610-1JFには当然に備わっている。また正確で見やすい日時表示も直感的であり、デジタル時計として普段の生活で何気ないフラストレーションを感じさせない。普段の生活に不自由なく愛用できる時計であるからこそ、より危険そうな場面や悠久の旅路においても、最も信頼の置ける愛用品として君臨する。
Gショックにおける型番の見方、DW-やGW-などの違いとは。
Gショックには型番があり、カテゴリー名を意味する最初の英字で、その時計に搭載された機能をある程度推測する事が出来るようになっている。例えばDWとは、20気圧防水とオーソドックスな機能のみを搭載したデジタル表示と200mウォーターレジスタントという意味を持つ。更にはそれに加えてGWとは、時代の技術進歩と沿うように電波時計やタフソーラーも搭載したより高機能なモデルである。オリジンなスクウェアモデルには、これらのモデルが共に存在している。
因みに他にもG-とは、よりベーシックなモデルの型番。AWとは、アナログ表示と200mウォーターレジスタントを搭載したGショックに表記される。5600モデルの特殊な派生系であるGW-M5610-1JFの場合には、タフソーラー、マルチバンド6電波受信、20気圧防水、耐衝撃、フルオートELバックライトなどの機能が搭載されている。この場合には、そもそもGWの名を冠している事によって、上記のような諸機能を備えた高機能モデルであるとすぐさま型番だけでも判別することが出来るといったものである。
20気圧防水であるから、1気圧が水深換算で10m。スペック上は水深200mまで耐えうるという事になる。一般的なダイビングでは酸素ボンベを用いて40m程度が限界の目安となっているとなっているため、通常の観光目的のダイビング程度ならば理論上は問題にならない。
極端に水圧のかかる行動や環境であれば規定値を超える可能性もあるけれど、経年劣化などを考慮しない場合には普通の行動で浸水する心配は無いというのは嬉しい。ともかく、通常行動に一切の憂いが無いという意味においては。
スピードモデルとは。Gショックの原点を象徴するスクエア。
スピードモデルと言われる所以は、なんと言ってもキアヌリーブスが主演を務めた1994年の名作映画「スピード」。その劇中で彼が常備しているGショックのスクエアモデルが、DW-5600C-1Vである事から長らくファンの間で渾名されているもの。この映画の人気と共に、Gショックの名声も飛躍的に高まった事は、ここに記すまでもない事実。そうして今やGショックの、いやカシオ社の製品群においても、そのアイコン的存在ともなった型でもある。
より現代的で利便性や正確性を重視したモデルでもあるGW。中でも名機、スピードモデルの系譜を受け継いでいるGW-M5610-1JFは、外見のデザインは保守的でありながら、中身の設計は革新的。いずれもの良いトコ取りをしたような素晴らしき腕時計である。Gショックの本質的な堅牢性を保持しているため、何処へ赴くにも臆することが無い。そうして精密機器でありながらも使用者の行動を決して制約することの無い安心感は、やはり特別なる魅力を備えている。
その場所が海であろうが山であろうが、はたまた都市空間であろうが、使用者の心を何時も軽やかでポジティブなままにしてくれる。それに直感的で見やすい表示は、時計である事の存在意義を明確に感じさせてくれるものである。
昨今では、腕時計は用いずとも常時携帯しているであろうスマホによって時刻を知る事も出来るものであるが、それでも活動的な場面であっても知りたいときに確実に時を知ることが出来るというのは、些細な出来事であれどとても大きな優位性を持つところなのである。
軽く、視認しやすい。ただそれだけで十分だけれど、薄く、頑丈である。後者はある意味では二律背反する命題であるけれど、そこはやはりGショックを代表するモデルであるだけに非常に高いレベルで実現されている。山、海、川、街。あらゆる場所で歩くという行為は面白い。そんな行為に寄り添ってくれるような時計。
薄い筐体によって十分な軽量性もあり、アウトドア目的であってもバックパックを背負ったり、レインウェアに袖を通す際など、このようなちょっとしたシーンで引っかかりにくい。これがアクティビティで使用する際にもフラストレーションにならず、つい選びたくなる理由になる。こうした事柄は日常において顕著で、ちょっとした不満点が積み重なっていくことが決して無いような実用の品なのである。
G-SHOCK、ファッションアイテムとしてのコーデ。
おしゃれアイテムとしても活躍するGショック。同時に飽きが来ないというのも大切な要素であるように思える。いつも身につけていられる快適さは、デザイン性についても同様に言える事。TPOを考える必要のない場面においては、いささか常に無意識的に選び、またいつの間にか手に取ってしまっている。腕時計が実用の上に存在すべきであるということを今一度、思い起こさせてくれるような逸品である。
さて、アメカジやストリート、アウトドアなど、ファッションアイテムとしても重宝するGショック。中でもスクエアモデルは、実用性を兼ね備えた機能美が魅力的である。我慢しないお洒落感、近年におけるファッションの潮流にも合致する。年齢や性別を問わずして、時代の変化にも左右されることの無い普遍的で本質的な価値を体現するものである。
種別 | メーカー | 製品名 |
---|---|---|
トップス | チャンピオン | T1011七分袖C5-P404 |
ベスト | パタゴニア | クラシックレトロX |
ボトムス | グラミチ | NNパンツ |
ウォッチ | カシオ | GW-M5610 |
フットウェア | リーボック | インスタポンプフューリー |
そのように考えれば、殆どのシーンやスタイルに似合う腕時計である。上記のようなカジュアルで定番のアイテムとの相性は特に抜群。こうした定番スタイルの場合には、組み合わせも自由自在。それぞれを見ても、質感や機能性も定評があるものばかりなのも吉。時間が見やすいという当たり前、または場所を選ばない使い勝手の良さによって、常に携行していたいお気に入りアイテムとして君臨することになるのは必定。
何処へ出かけるのも、とりあえずGショックで。
行き先を決めずに出かける休日。街中へ繰り出すのも、自然へ飛び出すのも自由。身軽な気持ちで出かけ、その気持ちに従って予定は未定。そんなときに取り合えず身に着けていたいのがGショックである。靴と時計がフォーマルすぎると、TPO的にも制限を感じる事がある。カジュアルでありながらも比較的上質さを感じ得るスクエアモデルならば、何処へ行くのだって臆することが無い。
しかも頑強で精確あるが故に、用途も選ばない。それが仕事であっても、趣味であっても、何であれ対応できる懐の広さ。日々のコーデにおいて、選択肢のスタンダードに据えても一向に問題が無い。許容範囲が広く、持っていて無駄にならない時計である。本格的に自然の中へ分け入って行くのも良いし、はたまたラフに喫茶店で一服するのも良い。
兎にも角にも、何に対しても本気で取り組む大人に最適な道具と成り得る。ウレタン樹脂のGW-M5610-1JFは軽さも比較的丁度良いが、メタルフレームやバンドを選べば更にTPOの枠は広がる。所謂、高級時計にも良さがあるが、それを所持しているからと言って、このGショックの使い勝手の良さを捨て置くにはやはりもったいないというものである。
チェンソーのような激しいモーター振動に耐え、モトクロスのような衝撃にも影響は無いと公称される程のカシオ自信作であればこそ、その信頼性は大きく、常につけていたい魅力的な製品。ベーシックなデザインのアイテムであるから、一本持っておいても損は無い。比較的小ぶりで軽量な腕時計であるから、特に男女の区別なく家族で使いまわすというのも一興。
ブログ:Gショック×大人なカジュアルコーデ、着こなし集。
アウトドアな格好に似合うのは当然として、ストリートなファッションとしても定番のアイテム。カジュアルなアイテムであるが、秀逸な実用性を保持する。使い勝手の良い腕時計は、何時でも何処でも身に着けていたい心持ちになるところである。しかもそれがシンプルでありながらカッコ良い、Gショックであれば尚更のこと。
CASIO GW-M5610-1JFの使い方および外観
スクエアモデルは、圧倒的に見易く分かり易いインターフェイス。時刻表示が液晶デジタルであるという部分が重要ならば、なかなかに惹かれる。腕時計として必要最小限な事柄をしっかりと抑え、しかも電波時計のタフソーラー仕様である。時間を正確に知り得ながら、電池交換やネジ撒きの手間が省けるというのは嬉しい仕様である。月日、曜日、時間。デフォルト画面でもある時刻モードでは、必要な事柄を手早く知ることができる。
ケースの裏側には刻印が施されている。マルチバンド、20気圧防水や型番であるGW-M5610など、主な仕様が記載されている。真ん中のロゴマークもカッコいい。
ボタンは左右上下に4つ配置されている。操作感も非常に直感的で分かり易いもの。何気にありがたいことに、ポケットや鞄に放り込んだとしても不意のボタン操作がされ難いように保護されている。信頼感が重要である腕時計という存在の場合、こうした細々としたような需要に応えてくれる意匠が実は重要であったりする。
ソーラー充電のバッテリー残量表示、節電機能の仕様。
バッテリーの電力状態を確認するには、液晶画面の最下部にある右側バーを見る。このインジゲーターでは、「L・M・H」という表示があり、Lがロー、Mがミドル、Hがハイと分かり易い。つまりはH表示の場合には、満充電と考えて良い。また休日やアウトドアにしか使わないという状況でも安心できるものとして、パワーセービング機能による節電が挙げられる。使用しない時には電灯の下に置いておくだけでも、基本的には電力不足には全く無らない印象である。
この節電レベルには2段階用意されており、第一段階として午後10時から午前6時の間で暗い場所に置いてから約1時間で液晶表示が節電される。この場合には機能は全て起動し続けられている。また第一段階から6から7日ほど経過すると第二段階目の節電状態へと格上げされる。この場合には、節電状態が解除されるまで全ての機能が停止した状態となる。
この節電状態の解除は、4つのうちいずれかのボタンを操作、明るい場所に置いたり、暗い場所でも40度以上傾けてオートライトが作動すると解除されることになる。ストップウォッチやタイマーが起動されている場合には、節電状態には無らない。ちなみに予めパワーセービング機能のオンオフは設定が行えるといったところ。
ライト点灯は右上ボタン、傾きを感知するオートライト機能。
夜間などの暗がりで重宝するライト機能は勿論搭載されている。同時にオートライト機能をオンにしている場合には、暗さを感知して腕の傾きが40度以上になった時に自動的にライトが点灯する機能も搭載されている。案外利便性は高いが、特にこの機能を必要としない場合には、自動点灯をオフする事も可能。ボディ右上のライト点灯ボタンを3秒間ほど長押しする事で、ON/OFF切り替えが行える。
操作音のON/OFFも行える。ボディ右下のボタン長押し。
ボディ右下のボタンを3秒間ほど長押しすることで、ボタンを押した際になる電子音を消音にしたり、音出ししたりすることが出来るようになる。
基本的な5つのモード、切り替えの仕方。
搭載された機能、モードの切り替えは基本的に左下ボタンで行う。デフォルト画面である時刻モードから一つ押すごとに、「時刻モード→ワールドタイム→アラーム→ストップウォッチ→タイマー→時刻モード…」と山手線のように周回する。各モードの設定では、右下ボタンと左上ボタンを基本的に使用すると覚える方が良い。選択やスタート/ストップでは右下を用い、決定やリセットを左上で行うといった具合である。
ワールドタイムの設定方法。右下ボタンで都市選択。
ワールドタイムの設定の場合には、WTと表示される。右下ボタンで世界の都市を選択する。また右上ボタンを2秒間長押しで、サマータイムのオンオフ切り替えも可能。
アラームと時報の設定方法。右下ボタンで選択可能。
次にアラームモードの場合には、右下のボタンでアラームと時報を切り替えすることができる。音が鳴るアラームや時報をオンオフするには左上ボタンを2秒間長押しする。ちなみにアラームの場合には10秒間電子音が継続的に鳴り、時報の場合には2回電子音が鳴るという仕様となっている。
ストップウォッチ機能。スタートストップは右下ボタン。
またストップウォッチモードでは、液晶部にSTと表示される。この場合にも、タイムのスタートとストップは右下ボタン。それから左上ボタンでタイムをスプリットしたり、リセットしたりすることが出来る。
タイマーモード。スタートストップは右下ボタン。
タイマーモードの場合にも、スタートとストップは右下ボタンを使用。表示はTR。タイマーは10秒間電子音が鳴る。ストップウォッチの場合と同様に、左上ボタンでタイマー設定のリセットを行う。そして同様に左上ボタンを2秒間長押しすることで、タイマー時間の設定が行える。この設定の画面では、左下ボタンで時と分の切り替えを行い、右上や右下ボタンでそれらを設定する。設定完了は、再び左上ボタンを押して決定する。