三つ目モデルといえば、元祖DW-5900。その後継機種とも言えるDW-6900も同様に所謂、横乗り系のボーダー達に愛用されてきた定番。北米市場において爆発的な人気を誇ったモデル。5900系が1990年にアメリカで販売されてから、1992年に逆輸入される形で日本で販売されるようになった。Gショックは腕時計として大ヒットを記録。1995年に販売、ケースはDW-6600譲りのラウンド形状、ベゼルはDW-5900譲りの3つ目のデザインが組み合わさって誕生したのがDW-6900である。
電波ソーラーで平成レトロなGショック、GW-6900。

ところでDWというモデルは、Gショックとしてのシンプルな機能に洗練された製品。そこに電波時計とソーラー電池が組み合わさると、GWという型番として表記される。GWはより使い勝手の良さと精確性が追求されたモデルであると言える。

時間を表示する道具として割り切って用いる腕時計、そうして鑑みると実に質実剛健さに極まる逸品なのだ。オリジンやスクウェアモデルとしても著名なGW-M5610などと双璧をなすような平成レトロな形状が実に好ましい。筆者も長年愛用しているが、大のお気に入りの一品。GW-6900-1JFを身に着けていることが、極めて多いことに気が付いたほど。

身に付ければ身に着けるほど、愛着が増していく。そんな風に次第にクセになるデザインである。無意識的に手に取ってしまう程に気に入ってしまう名品。絶妙なバランスで組み立てられた工業デザインの妙。GW-6900が長らく支持され続けてきた背景は、手に入れてしまえば誰しもが感じられるものであろう。特別多機能という訳ではないものの、尖って信頼感ある性能によって生活に欠かすことの出来ない相棒となること必定。

シンプルの極みともいえるスクウェアモデルからすると、少しだけ機能感のあるデザイン。丸みを帯びたフォルムであれど可愛らしさと同時に無骨さも感じ得る。腕に付けた時の存在感もそれなりに大きい。ベーシックなモデルの中でも四角いGがGW-M5610ならば、丸いGがGW-6900であるともいえる。
G-SHOCK GW-6900徹底解剖

よりオリジナルなDW-6900と比べると、電波ソーラーが装備されるとともに、液晶が大きくなって見やすくなっている。時計としての基本性能が十二分に向上しているというのは嬉しい仕様変更だ。当然、腕時計を用いて時間を確認する上で、正確な時間がより的確に把握することが重要である。そして、その役割を完璧にこなしてくれる。

より高機能で高度やコンパスや気圧など、多くの機能をふんだんに盛り込んだ仕様の時計も多い。しかしながら、シンプルで頑強なる時計であればこそ信頼性も高いように思える。現代においては防水仕様なスマホの存在は、特に登山などのアウトドアシーンでは頼もしい。しかし、イチイチポケットから取り出す必要も無く正確な時間を把握するのはやはり重要で、逐一ルートの経過時間や日没の時間などを確認しながら歩きたいところ。

個人的な趣向であれば、腕時計は時間を確認する道具としての役割。それさえ達成してくれていさえすれば良い。使い方は千差万別であれど、そのように考えると費用対効果が非常に高い製品である。更に毎日使えば使うほどに愛着を増していくギア。見た目にも優れ、TPOが許す限りにおいて何時も付けておきたくなる。

特にGW-6900においては20気圧防水が備わっている所も嬉しい。普段から用いる時計としては、何ら心配事が無い。寧ろ余りあるギアである。海であろうが山であろうが川であろうが、そしてもちろん街であろうが、あらゆる場所やシーンで用いるところが出来る時計。しかも、このようなカジュアルなシーンにおけるファッション性も高く、特に重宝するもの。

Gショックは、カシオの技術者である伊部菊雄氏によって開発されたとされる。精密機械であって繊細な取り回しが必要であった腕時計。高価な腕時計でさえ落としてしまえば壊れる。そんな当然の常識を覆す革新的製品を生み出すにあたり、1981年「落としても壊れない丈夫な時計」というコンセプトをブレることなく達成。

落下強度10m、防水性能10m、電池寿命10年。そんな三本柱に果敢に挑戦した。勿論、Gショックの名前を冠するGW-6900においてもそうした精神を受け継いでいる。耐衝撃構造、20気圧防水、タフソーラー、そして電波時計を搭載し、その信頼性の高さは折り紙付きの逸品。

Gショックはシンプルな優れた機能性が魅力的な存在。しかしそれだけでなく、GW-6900は三つ目モデルの正統派な後継機というだけあってそのファッション性も折り紙付き。横のり系のボーダーに愛用されたタフさと、ストリートな文化とも相性が良い。同時にアメカジとの相性も頗る良い。気軽に何処へでもふらりと出掛けて行くというような日、カジュアルなシーンにおいては、何処であっても馴染む。

白Tとデニムのような非常にシンプルなコーデにも手首にワンアイテム。GW−6900のようなGショックが非常に良く似合う。カジュアルな佇まいにもとても良くマッチする。いい意味で良く目立つ腕時計であれど、悪目立ちすることは決してない。上質感のある佇まいに一役買う三つ目モデル。ゴツいけれどゴツすぎないという絶妙さが凄い。
スクウェアモデルGW-M5610と三つ目GW-6900比較。

スクウェアモデルことファーストモデルは、ジオリジンとの愛称もある。シンプルでスマート、直感的な時間の視認性の高さはピカイチ。ただし操作感を鑑みると現代の三つ目モデルである6900系に軍配が上がる。例えば夜間時のライトの点灯、またはボタンの説明書きの見やすさなどではリードしているように思われる。装着感としても、より存在感があるのが三つ目モデルであるといえよう。

ベゼルの下方中央部に大きなライト点灯ボタンが用意されているため、ちょっとしたタイミングで光が必要な場面でも難なく使用する事が出来る。ただし傾きを感知して自動でライティングしてくれる機能も付属しているために、デザイン的要素の方が大きいといえば大きいとも言える。ただし前述もしたのであるが、夜間時全くもって手元が見えないというような状況においては、重宝するところである。

全体の大きさを鑑みても、スクウェアモデルの方が小ぶり。GW-6900のほうが一回り大きい。その為、洋服の袖口に入り込む要素がスクウェアモデルにはあるが、GW-6900においては袖口に入り込む懸念は殆ど無い。この使用感については、明らかに好みなのである。
直感操作×抜群装着感が生む究極アウトドアウォッチ

しかしこの優れたデザインの趣向性については、装着すればするほどにカッコ良く映る。優れて普遍的でありながら、愛着が増す工業デザインであることが伺える。生活の中でも溶け込み、どこで装着しても馴染む。

三つ目モデルというと、都会的なスポーツライクなイメージもあるところである。そのようなストリート系ファッションとの相性は勿論良いが、Gショックのブランドを冠するタフさも当然ながら健在。アウトドアギアとしてもその信頼感は抜群である。

常に何処へでもつけていられるという点においても、メンテナンスが楽であるという点においても、普段から用いる道具として無意識でいられるというその秀逸さは有難いものである。旅行などで街を歩いたり、時にはアクティビティを挟むような旅行にも好い。運用に気を使う必要が無い為、ただ一つ付けて行けば気の向くままに冒険。

時計の優れた機能性という面で見れば、より多くの選択が考えられる。ただしどれだけの機能を必要とするかという意味ではGW-6900で、日常的に必要とするには十二分のものがある。必要とする性能を必要とする分だけ。時計としての価値が極まった、洗練されたアウトドア・スポーツウォッチ。見た目にも優れ、いつも身に着けていたくなるアイテムである。

前述のとおりにスクウェアモデルと比べると、存在感がありゴツイ外観。大きさのみならず厚みも比較的にある為、傍目から見ても一目瞭然。ただし決して奇を衒ったような違和感のある存在感ではなく、その場にも馴染むような落ち着いた雰囲気が備わる。

カジュアルなシーンでは、シンプルな出で立ちとの相性が非常に好い。特に夏場のデニムにTシャツのような恰好では、優れたワンポイントアクセントに成り得る。そのような意味においては、ファッションアイテムとしても大活躍してくれる。
GW-6900、純正ベルトやベゼル交換でカスタムや修繕も可。

カシオのGW-6900におけるラバーベルトは、比較的頑丈に造られており、毎日使用しても簡単に裂けるなどする心配も無い。ただしウレタン製のラバーベルトの特性上、経年劣化なども考えられ、無敵の強靭さを保持するという訳には行かないところ。それでもこのようなベルトの不意な損傷や付着した汚れの対策にもなるように、ラバーやメタルといった交換用の純正ベルトが用意されているというのも嬉しい。

ちなみにGW-6900はベゼルの交換も可能になっており、こちらも長年使用することによる傷や汚れの対処を自分で行えるというのも大きな利点。白色のモデルから黒色へとカスタマイズするという用途も可能になっており、こうしたちょっとした心遣いもカシオGショックを選ぶ際のアドバンテージと成り得るところだ。
CASIO GW-6900-1JFの外観と使い方、設定方法。

GW-6900では、ある程度の操作は直感的に可能。説明書を見なくとも大方分かろう。特に電波時計であるから箱から出しただけで、特段何の問題も無く動作してくれるものである。そしてシンプルな時計であるからこそ、時を正確に刻んでいてくれさえすれば良いような気がする。それでも自分なりにこの道具をある程度使いこなす為、ホームタイムデータの設定など少しだけ頭に入れておきたいところ。

視認性高く実用性に優れた時計。多機能すぎない時計であるから、直感的で最小限度の操作しか要求されない。そうしたところもこの時計の優れたところである。
AMPM12H/24Hの時刻表示のモード切り替え。
左上のADJUSTボタンを2秒間の長押し。左下のMODEボタンを2度押す。すると12Hとか24Hという表示が出てくる為、右側の右下のSTART-STOPボタンで好きな任意の表示に切り替える。最後に左上のADJUSTボタンで決定。もちろん12HはAM/PM表記、24Hは24時間表示である。
電源の操作と基本表示について
GW‑6900‑1JFは常時作動状態にあり、暗い場所では省電力モードに自動切替される。操作ボタンに触れると瞬時にディスプレイが点灯し、すぐに時刻や各種情報が表示される仕組み。初回の使用時は、電波受信機能が自動で正確な時刻に修正されるため、特に手動での時刻合わせは必要無く、万が一受信状況に不具合が生じた場合は、手動設定を行うことで対応可能。
電波受信機能の活用
このモデルは、最大6回/日に自動で各国の標準電波を受信し、時刻を正確に更新する。ユーザーがホームタイムの設定を行うことで、日本のJJYをはじめ、中国や北米、ヨーロッパの電波を最適に受信可能。もしも自動受信がうまく作動しない場合、手動での電波受信を試みることも出来る。特にこの場合、受信状態が改善する窓際や屋外での操作を行うと良い。
タフソーラー機能と充電のポイント
GW‑6900‑1JFは、前述するように太陽光などの自然光を利用して充電するタフソーラー機能を備える。日常使用においては、明るい場所に置くことで自動的に充電が行われ、長期間の連続使用を可能とする。また、暗所での使用時には自動的にパワーセービングモードに切り替わり、無駄な電力消費を抑制する設計。定期的に充電状況を確認し、必要に応じて明るい場所に時計を置くことで、常に最適な状態で使用することを可能としてくれる。
ワールドタイム機能の操作
日本以外においても海外出張や旅行の際、ワールドタイム機能は非常に便利。操作はモードボタンを押してワールドタイムモードに切り替え、表示されるリストから目的の都市を選ぶだけ。選択された都市の時刻は自動でサマータイムなどの調整も行われ、常に最新の時刻が表示される優れモノ。
ストップウォッチ、タイマー、アラームの設定
ストップウォッチ機能は、1/100秒単位での計測が可能で、ラップタイムの記録にも対応。タイマー機能は、カウントダウン時間の設定が容易。オートリピート機能も搭載されているため、調理や運動時など様々なシーンで活用できる。さらに最大5本のアラーム設定が可能で、うち1本にはスヌーズ機能が備わっており、目覚まし時計としても利用することが出来る。旅先などで使用するにも有難い。
バックライトと操作音の設定
暗い場所での視認性を向上してくれるELバックライト機能が備わる。操作ボタンを押すと即座にバックライトが点灯、残照機能により一定時間表示が持続。例えば、キャンプ場など漆黒の暗闇の中、夜間の時刻確認も安心して出来る。また、操作音のオン/オフ切替が可能なため、静かな環境での使用時にも配慮された設計。
トラブルシューティングとメンテナンス
もしも電波受信が正常に行われなかった場合、時計の設置場所を変えて再度受信を試みるとともに、ホームタイム設定の確認や再設定を行う必要がある。またソーラー充電が不安定な場合は、定期的に明るい場所に置くことを心がけるとともに、外観の清掃やボタン周りの点検を行うことで、製品の長寿命化と正確な動作を維持することを可能とする。異常が認められる場合は、公式サポートまたは正規サービスセンターへ問い合わせることとなる。メーカー保証は1年。
