ニコンF3、写真への飽くなき追求。実用を極めたるカメラ。

Nikon F3

NikonニコンF3は、素晴らしく洗練された逸品である。この機種は1980年に発売が開始され、2000年に終了。約20年もの長きにわたりロングセラーを続けた。ボディのみの販売価格が大体、当時の初任給と凡そ同額ほど。それまでのカメラの価値からすれば、比較的サラリーマンが手にしやすい価格のものであった。その点から鑑みても、このカメラで多くの人々が人生の節目を彩ってきたに違いない。

さて近年当然ともなったAFオートフォーカス一眼レフ機は多機能ではあるが、それらの機能と比例するかのように図体も大きくなってしまっている節がある。あまたのカメラマンに愛用されてきたNikon F3は、機能がありすぎず無さすぎず、引き算と足し算の美学のちょうど均衡点。写真を撮るという行為につき、実用と奢侈しゃしの両面を心から楽しむことができる。名機との呼び声も高い、まさに「スーパーNikon」。

Nikon F3は、写真をもっと求めたくなる。

デザインも秀逸な一眼レフ、Nikon F3

一見するところ、不便なはずのMFマニュアルフォーカス。それであることによって、また手ぶれ補正機能が無い事によって、本体とレンズを含むシステム全体のコンパクトさが十分に確保されている。そこが敢えてもの最大の強みであると言えるものだ。しかもMF操作だからこそ、被写体ともっと向き合うことが出来る。その行為が兎に角楽しいのである。

いざ巻き上げレバーを操作し、ピントを追い込み、シャッターを押す。そこに響く音。そうした一つ一つの事柄が、写真を撮るという行為をより至福なものとしてくれる。その際、明るいファインダーは、ピントの波を直感的に掴みやすく、被写体と向き合う際には最大限の味方をしてくれる。

より被写体と向き合い、撮るという至福。

もちろんMF機の中には、露出の制御までも手動で行うフルマニュアル機はあれど、それとは異なり自動露出(絞り優先AE)である点も、撮る行為そのものをより気楽なものとしてくれる。絞り優先AEの露出制御は、とても扱い易い。もちろんマニュアル撮影、シャッター速度を意図に合わせて変更することも可能。この機種はNikon「F」として初めてクオーツを用いた、電子式制御シャッターが採用されている。その信頼性は抜群に高い。

マニュアルとオートという両輪。

その性能は、信頼のフラッグシップ。

非常にコンパクトな一眼レフでありながら、視野率は約100%である。この時代の視野率100%が確保されたカメラというのは限られた貴重な機種。しかも堅牢なボディはそのタフさを象徴するかのように案外ズシリとした重みがある。約700gの重量。ただその辺がまた嬉しいところでもある。あまりにも軽過ぎても、重すぎても手ブレというものは生まれ得るもので、その辺のバランスもしっくりと手に馴染む丁度の良さ。

小雨降る森、木上に佇む猫。

もちろん自動露出を行うMF機といえば、これもまた名機だといえる弟分のNikon FEがあると思う。いずれも似通った魅力があるとはいえ、やはりNikon Fの系譜を引き継ぐフラッグシップ機、F3の信頼性はより厚い。例えば電子式制御シャッターにとっては死活問題、急な電池切れの際の機械式、緊急作動用シャッターの存在。これによって、電池が無くとも1/60秒で撮影することができるのも驚き。ちなみにシャッター幕はチタン製で耐久性に優れる。

またフルマニュアル機械式カメラと比べると、その扱いやすさには感動すら覚える。例えば、現代では当たり前ともなった技術ではあるが、絞り込み測光ではなく解放測光が可能なため、被写体を明るいファインダーで捉えたまま撮影に移ることが出来る。また絞り優先AEを利用する場合には、シャッター速度の切り替えがない分、より素早い撮影を可能としてくれる。

この点、マニュアルとオートの中間地点にありながら、非常にバランスの取れた扱いやすい機種であるということができる。ただフォーカスを合焦させることのみに撮影者は集中できる。そんな風にカメラ技術にとって革新と保守の狭間にありながら、使い手にとっては最大限気持ちの良いカメラなのである。

F3、伝統と革新のデザイン。

研ぎ澄まされたデザイン。

Nikon F3はグリップ付近に縦に細く伸びたレッドラインが、そのデザインの象徴だ。この赤は近年のNikon機にも当然に見られるものであるが、事の始まりがこのF3であるのも感慨深いものである。高名なる工業デザイナーのジウジアーロ氏が携わったプロダクトデザインは、それまでのNikonの良さを引き継ぐ。保守的でありながら革新的である。

どんな状況にだって周囲に馴染む。格調高く、威圧感を与えないレトロモダン。

失われた価値をこの手に取り戻す。

そういえば、昨今あらゆる機械がより自動化され、またはデジタル化されている。利便性が向上する中で、簡略化され省略化された部分に、趣味であればあるほど、奥深さや情緒を感じるものである。例えば、裁縫が好きなら手縫いや足踏みミシン。それが自動車やバイクならマニュアル車。それに写真ならフィルムマニュアル機というように…。

街歩き、動物、ポートレートなども楽しい。

そうして手間が省かれていく事によって、失われた何か大切なものがある。人間の短い人生の中で、これからも時間的効率の追求が至上命題の一つで有り続けるはずであろうにも関わらず。

交通手段が発達し、より遠くにより短い時間で行けるはずなのに、徒歩の道程で得られた思慮や感慨は失われる。それと同様に写真においても、一枚一枚に対する思い入れは薄れ、その時の状況や意図を忘却し易くなっていく。それらは短い人生の中で、時間とはまた異なる尺度の質的な価値である。そのような贅沢を手に入れることができるのである。

風のささやき、自然もより直感的に。

Nikon F3は、写真をより楽しむためにあるかのような写真機。それを片手に持ち歩けば、街歩きや旅行などでは大活躍する。更には自然風景や動物写真までも。素晴らしいレンズを携行。高級コンパクトフィルムカメラと併用し、標準から望遠域を担う。そんな使い方も非常に面白い。機械を操作する喜び、表現する喜びというものを五感で楽しむことが出来るものである。

Nikon F3の作例

上記はすべてNikon F3に、AI Micro-Nikkor 55mm f/2.8Sを装着して撮影したもの。オールドレンズらしからぬ圧倒的解像感。本体によって自動制御された露出も非常に安定している。街中での撮影でも違和感、威圧感はほとんどないところも嬉しい。使う者を心躍る旅に誘う。

Nikon F3の使い方および外観

ファインダー内部の表示は必要最小限。シャッター速度と絞りF値のみ。F3HPであることもあって、非常に見やすい。眼鏡着用でも隅々まで視野が確保されている。シャッター速度の表示は液晶デジタル表示。また絞り値はレンズを通して直接、交換レンズ上部の表示を見ている。

F3のファインダー内部の写真。シンプル。

中央部では、ピント位置が確認しやすいサークル。スプリット式スクリーンと呼ばれるフォーカシングスクリーンが用いられており、上下に分かれた像の線をぴたりと合わせることにより、ピントが確実に合うように設計されている。MFを追い込みやすい型。

ファインダー内部の見え方

スプリット式スクリーンの見え方。

ピントが合焦するとその位置の像ははっきりと見え、同時に中央部のサークルの上下の像の線がぴったりと一致する。直線の多い人工物では使いやすい。ただ自然物、風景においては曲線で構成されるため、むしろ他のフォーカシングスクリーンと同様に周囲の解像感で直感的に合わせる場合も多い。

電源の入れ方。ON/OFFスイッチ。

シャッターボタンの下部。スイッチレバー。

電源のONとOFFの操作は、シャッターボタンの下部、スイッチレバーで操作する。隣のモードダイヤル下部のレバーは、全く別物(セルフタイマー)。間違えないようにしたい。

フィルム装填方法。スリットに注意。

注意すべきなのは、最新のフィルムカメラとは異なり、フィルム先端のベロを置くだけでなく、巻き上げレバーの溝にきちんと差し込まなければならないという点。

巻き戻しノブを引き、裏蓋を開ける。

❶巻き戻しノブの下部、小さなレバーを引きながらノブを引き上げると開蓋

フィルムを装填する。

❷ノブをあげたまま、フィルムを装填。装填後、ノブを下げフィルムを固定。

スリットにフィルム先端を差し込む。

❸フィルムのベロ先端を巻き上げ部(棒)のスリット(横溝)に差し込む。

スリットは、バーの溝穴。

間違えやすい失敗。スリット(横溝)に差し込めていないとフィルムが送られない。

送り機構の歯車を巻き込む

巻き上げレバーを引き、または歯車を回し、ベロを一周ほど巻き込む。上記くらいまで巻き込む。終わって、裏蓋を閉じれば装填は完了する。

シャッターの切り方。フィルム装填後にも。

フィルム装填後、裏蓋を閉じる。その後、空シャッターを切ってフィルム枚数表示を「1」カウントに合わせる。シャッターの切り方は、同じ方法を用いる。

巻き上げレバーを操作。

巻き上げレバーを操作してフィルムを次に送る。シャッターを切るために必要な操作。

巻き上げレバーを押し込む。

巻き上げレバーを押し込む。写真を撮るため必要なこの操作が非常に面白い。

シャッターボタンを押し込む。

もちろんの事であるが、シャッターボタンを押し込むと写真が撮れる。半押しで測光開始。全押しでシャッターが切れる。

フィルム回収の方法。撮り終わったら。

底面のボタンを押し込む。

撮影が終わったら、フィルムを回収する。❶底部のボタンを押し込む。

左上方のハンドルを回す。

❷巻き戻しノブを矢印の方向に回す。完全に巻き取ってから裏蓋を開ける。

ノブをしっかりと回し続ける。

ノブを回していくと、途中までは固く回りにくい。回収し終わるとフィルムが完全に抜ける音が「カチャッ」として、回すノブも非常に軽くなる。それを目安にすると、間違えて途中で裏蓋を開けてしまい、感光してしまう事故を減らすことが出来る。裏蓋を開けたらフィルムを回収するのみ。

フィルム回収も同様に開蓋。

フィルム回収の際には、フィルムを完全に巻き込んでから、裏蓋を開ける事。開け方は装填時と同じでノブを引き上げるのみ。巻き上げを忘れてしまうと、大きな失敗。きちんと一つ一つの手順を確認しながらの作業が必要。

AEロック。測光と露出固定の方法。

Nikon F3の測光パターン方式は、TTL中央部重点開放測光である。中央部で重点的に測光し、その光でシャッター速度を割り出す。

AEロックした撮影の方法。

❶露出を合わせたい目標に向かってレンズ中央部を合わせ、シャッターを半押し。半押しすると測光が開始される。❷シャッター速度が表示された後、本体の前面下部にあるレバーに付属するボタンを押す。❸押したままにするとAEロック(露出固定)されるため、そのまま任意の構図に合わせて、ボタンを押したままシャッターを切る。

電池の交換方法。使用可能な3種類。

底部から電池挿入。コイン式。

コイン式で信頼性が高い。一度装填すると半年から数年程は持つ省エネ。

LR44型なら2個重ねて装填。

F3で使用可能な電池は、SR44を2個、LR44を2個、CR1/3Nを1個のいずれかを選択。

レビュー:レンズと光をより楽しむカメラ

より自然な出会いを求めて。

Nikon F3は何より単焦点レンズを用いて、眼前の森羅万象を切り取りたくなる。当時の最新鋭レンズを用いて撮影するフィルム写真は格別である。最新のフィルムカメラは、ピント合わせやフィルム送りなども自動で行ってくれる。そんな全自動オートマチックなカメラとは異なる面白さがここにはある。一見するところ不便なはずの行為によって、「写真を撮る」という行為により惹きつけてくれるのである。

炎天下、PREMIUM400で撮影。

シャッター速度も8秒から1/2000秒の間で自動制御してくれるため、様々な条件下での撮影が可能になる。例えば、ISO400フィルムを炎天下で使用しても何のその、難なく撮影できる。手持ちでのパンフォーカス。絞り込んだ撮影を主体とするならば、色彩豊かなPREMIUM400などのフィルムを常用するのも良い。

AI Micro-Nikkor 55mm f/2.8S の開放で撮影。

はたまたISO100のフィルムを装填し、単焦点レンズを解放に近い絞りで撮影するのも面白い。明るいレンズを使用する楽しさというのもフィルム写真の醍醐味のような気もする。時にはレンズ由来のボケを楽しみたいことだって大いにある。単なる街ブラ散歩や旅行での探索、家族写真など気楽な気持ちでF3を操作するのも楽しい。そうすると心までも開放されていくような感覚になる。

F3の特に優れたポイント

F3を使ってみればスグに分かるところであるが、近年の一眼レフからすると非常にコンパクトに扱える。しかもそのデザイン性は秀逸である。周囲に対してもほとんど威圧感を与えない。それにも関わらず一眼レフとしての性能はピカイチ。フラッグシップモデル「F」としての堅牢性、信頼性は抜群である。そんな名機を今では比較的手ごろな値段で手に入れることが出来るのも嬉しい。

一台にAF一眼レフカメラにズームレンズを付け、一台にこのF3と単焦点レンズを付けて、実際に街を歩いてみるとその違いは歴然。明らかなシステム全体の軽さとコンパクトさを実感することが出来る。ストラップを襷掛けし、持ち歩いても肩への食い込みも少ない。

スナップも、心地よい。

それにシャッター音も素晴らしく、写真を撮ることに快感を覚える。この音に対するニコンの拘りが感じられるものだ。写真は扱う人の心も重要になる。心が軽やかでポジティブなら、それ相応の出会いも待ち受けていたりする。まさにこのカメラは、それを実現するものである。

軽やかに散策。港町の線路。

ところでバイクの中ではホンダのスーパーカブは、世界的に知られた名車、ロングセラーである。実用を極めた逸品であることは間違いない。一部マニュアル操作が必要だとはいえ、搭載されたロータリー式の変則方式は、手動のクラッチ操作を必要としない。工業製品としてF3とも類似性があるものだ。両者は共に、マニュアルの良さとオートマチックの良さを両立する実用としての逸品なのである。クラシカルなデザインの良さも見直されて良いものである。

F3の苦手とするところ

Nikon F3を用いて不便さを感じることはほとんどないが、ただ一点だけ気にかかる。それはフィルムの装填がなされているかどうかの確認が、裏蓋を閉じた状態では行えないことだ。比較的新しい機種では、確認できる窓が実装されているものも多い。ちょっとした事なのであるが、このちょっとが大きな失敗へとつながる可能性がある。

背面には、確認窓などが無い。

フィルム未装填のまま空シャッターを切ってしまって撮り逃していたり、フィルム装填したまま裏蓋を開けて大切なフィルムを感光させてしまったりする。フィルム写真にとってこの失敗は、とても大きな痛手である。

この点、軍艦部のフィルムカウンターを確認すれば良い。0よりも右側にあれば、空シャッターを切っておらず、フィルムがセッティングされていないことは一目瞭然である。それから更に失敗を減らすには、個人的には決め事が必要なような気もしている。フィルムを使い切ったら、再装填を必ずしておくといった風に。 そうすることで、フィルムに関する失敗は殆ど無くなるはずである。

またフィルムの感度や枚数表示などの情報をカメラに伝達するDXコードには非対応。ISO感度などは別個、ユーザー側で設定する必要があることも忘れるべきでない事項。ただし、ネガフィルムは露光寛容度ラティチュードがデジタルと比べても非常に広い。多少この設定を仕損じたからと言って、問題になることも殆ど無いはずである。

F3の派生モデル

F3には多くの派生モデルがある。中でもF3HP(ハイアイポイント)やF3/Tなどは非常に有名。何が異なるかといえば、通常モデルのファインダー倍率が約0.8倍であるのに対して、HPでは約0.75倍となっていることで、眼鏡着用等でファインダーから少し離れてみたときも視界がケラレ難いという性能がある。

非常に使いやすい、Nikon F3HP。

またF3/Tにおいては、チタン外装による高級感が特徴。耐久性能、防塵防滴性能が強化されている。特にバブル期前後の高級カメラの代名詞が、このチタン外装であった。発売は1982年で、F3HPと同じ年に発売されている。F3/Tもデフォルト仕様でHPタイプとなっている。ちなみにこれらは、機能面においては通常モデルと差異はない。ただしF3Pという報道プロ向けのモデルにおいては、セルフタイマーや多重露出など省略されている機能もある。

コラム:ニコンF3と星野道夫の旅

ニコンの35mmフィルム一眼レフカメラは多くの写真家に愛用された。中でもアラスカを愛し、アラスカから愛された男、写真家・星野道夫ほしのみちお。彼が多くの場面で使用していた一眼レフカメラの一つが、Nikon F3である。その一台には小さな物語がある。

自然の中に暮らす。Nikon F3で撮影。

…フィルムを詰め替えている間、一台のカメラを地面に置いた。その時、オオカミはスーッと前に出たかと思うと、カメラのストラップをくわえ、そのまま持って行ってしまったのだ。…中略…ストラップが長いので、そこから垂れ下がったカメラは地面にゴツゴツぶつかっている。もう落とすだろうと思っているのに、オオカミはどんどん行ってしまう。止まる様子もない。今年買ったばかりの新品のカメラ。…

小学館文庫「アラスカ 風のような物語」星野道夫著 -カメラを盗んだオオカミ- P.83より

星野道夫氏の写真の魅力は、自然の中で生きる動物たちの姿を捉えている点。その動物という枠組みの中に人間の営みをも含め、自然と共生するすべての命を尊いものとみる視点。それからその感覚を言葉にした随筆エッセイもとても清々しい文章。それらが彼の世界観を生み出している。特に彼の捉える雄大な自然の中に溶け込んだ命の姿は、いつ見直してみても美しい…。

Nikon F3で撮る、光と動物風景。

なぜだろう彼の撮った写真を見ていると、単焦点レンズを用いて自然と向き合いたくなる。動物の一生、その命の一瞬を切り取る。圧倒的な美しさは常にドラマティックなものである。彼の写真集「グリズリー」の巻末には使用カメラやレンズ、フィルム、露出が記載されている。それを見るとNikon FEと単焦点レンズで多くのものが撮影されている。

まだF3を手にする前に編纂された写真集。彼の写真展には、このFEが展示されてもいた。それに倣い、実際に雄大な自然をMFで切り取る。そうすると身も心もそこに溶け込んでゆくのが分かる。撮影した後の思い入れは格段に向上。記憶の情景が、いつまでもそこにある。

ブログ:Nikon F3×風景と動物写真

人の暮らしの中に息づいた動物たち。都市の喧騒の中で気づかれずに生きる動物たち。厳しい自然の中に身を置く動物たち。いずれにおいても、我々と同じ世界の住人。その環境も含めて撮るのは当然の成り行き。ただその場所に居たという記録、Nikon F3で生命にフォーカスを当てる。

広い世界の中で想像もできぬほど、多くの人の暮らしが営まれている。こちらに太陽が昇れば、太陽が沈んでいく場所もある。地球の反対側では季節さえも異なっている。人の暮らしでさえも、他の存在を忘れがちになる。けれど、もっと身の周りを見渡してみれば、そこには多くの生命が息づいている。そんな彼らの存在も時々は思い出す。いや何時だって思い出したいのである。皆、同じ世界の住人なのだから。

写真から学ぶ、写真の撮り方。

写真を楽しんでいると、「目の前の事象をどのように切り取るか」という部分に幾何いくばくかの意識を傾けることもある。そんな際に技術指南書のようなムック本や解説書を書店で手に取るという方法もあるだろう。書店に赴いてみれば、そのような本を多く見かけるのである。

意外にもそうした技術書に頼るよりも重要になるのが、他者の写真を見るという行為だ。特に写真家の出版する写真集を愛でてみるのは、非常に勉強になるのである。そうして見る目を養うという部分もさながら、他者の世界観を共感するという写真の醍醐味に触れることが出来る。写真は自己の内面を投射し、露出させることになる。そこにより深みや面白みがあったりする。

価値観を共感する事で、更なる内面の深みになったり、価値観の表現法をより学べたりする。それは実感を通した学びであって、単純に机上で学ぶものとは一線を画するものだと思える。かといって、そうした技術書で学ぶ行為を否定するものではない。それは学びの方向性の違いなのである。

多くの場合、書物には古典と呼ばれるものがあり、それらは常に新しき時代の指針としての価値を持つ。つまり古典とは、常に新しいものである。そこで一時代を築き、または名声を得たる古人を学ぶことは、これからを学ぶことである。もちろん今を生きる人々、他者を学ぶことも重要なこと。それらを通して、より自己の世界観に深みを得ることが出来る。

他者の多くの写真を見て感じることが出来れば、より自己の写真にも深みが増す。これらは先人たちの手段を学ぶだけでなく、写真の目的を達せんとする方法なのである。好きな写真家の好きな写真。それを見つけられたら吉兆、きっとこれからの財産になるに違いない。

素晴らしい写真を多く見られる現代。もっと多くの共感と感動をしていきたいものである。

Genesis
Taschen America Llc

コンパクトなF3に似合うストラップ

ピークデザイン社のカフストラップなら比較的小型の一眼レフであるF3にとても似合う。それに黒を基調とし、また赤が差し色となっているブラック色が本体のカラーリングと非常に親和性が高い。このストラップは、高級コンパクトカメラとの相性も良く、同時併用しやすくなる。

F3と親和性の高いストラップ。

高級コンパクトフィルムのコンタックスT3ミノルタTC-1を併用して広角域を担わせ、一眼レフであるニコンF3が標準域から望遠域を担う。散歩や旅行では、非常に使い勝手の良いシステムである。そこでストラップさえも共用できるピークデザイン社のものを使用すれば、さらにその利便性が向上する。

このコラムの筆者
ZINEえぬたな

"古典は常に新しい"をモットーとして、相続されるべき普遍的な「価値」を次世代へ継承。

個人で編集するZINEをブログ上で運営。「えぬたな」は一つ一つの記事を読み切りとして編集。自らの写真と文章で、ヒトの思いを伝え、世の中の良いモノ、残すべきコトを紹介。

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