CROCS社のサンダルは、今や世界中で言わずと知られた存在。同社はアメリカのコロラド州にて創業されたアウトドア向けのフットウェアメーカーである。代表的な合成樹脂でできたサンダルは、足に馴染みやすく軽い。また滑りにくく使い勝手は抜群に良いのが特徴。クロックスと聞いて、多くの人がまず思い浮かべるのは、この独特のフォルムとカラフルな穴あきサンダルであろう。
かつて”ダサかわいい”の代名詞であった靴が、いまやファッション界や医療・サービス業界からアスリートの間にまで広く浸透し、新たなライフスタイルの象徴に進化しつつある。特に近年、単なるカジュアルフットウェアを超え、機能性とデザイン性の融合を図るプロダクトを次々と発表している。その代表格が、リカバリーシューズというカテゴリーに属する「メロウ リカバリー クロッグ」だ。
【レビュー】メロウ リカバリー クロッグの履き心地と実用性

裸足は気持ちが良いが、フローリングで一日家事仕事などをしていると、足裏が痛くなってくる。そんなときにクロックスならば洗うことも簡単で、水に濡れても問題ないという点で使い勝手も良い。特にリカバリーサンダルふわふわとしたクッション性は、仕事で疲れた足を癒してくれる。実際にこれを履きだしてから、足裏が痛くなることも無くなっている。
サイズ感と履き心地
サイズ感としては、一回り大きいが一回り大きめで履いている。当初はスポスポと抜けてしまうのかと思っていたが、案外足裏に密着して抜けずらい。そうして裸足であっても、靴下であっても履き心地が良い。暫く使っていると、これまでのクロックスよりも大きめであることで、脱ぎ履きが非常にし易い事に気付いた。同時に足に対しては触れる部分も最小限になり、痛みが出ることも無い。
通気性と日常使い
しかしクロッグであるから、水仕事でも安心。包丁やハサミなどを落下させてしまっても、安全性もある。そして、机やベッドの角で足を打つ心配もない。しかしながら、風通しという点では劣る。勿論、クロックスであるから少し蒸れてくるのであるが、そうしても大きめのサイズであれば空気の通り道も多少なりとも確保できるように感じる。しかし、こうした蒸れを気にするならば、同じくクロックスのリカバリーシューズのラインであるメロウ リカバリー スライドを選択するという方法もある。
クロックスの素材技術:Croslite™とLiteRide™

クロックス社は、2004年6月、フォーム・クリエーションズ社を買収。独自素材であるCrosliteに関する特許権を取得したことによって、クロックスらしさをより洗練させることができた。クロスライトは高反発の発泡樹脂で、足の形状に合わせて変形し、軽量かつ抗菌性に優れるのが特徴として挙げられている。また2006年の上場当時には、「Ugly Can Be Beautiful」というキャッチフレーズと可愛らしいカラーリング展開も相俟って、世界中で爆発的な人気を得ていた。
経営危機と再生:ブランドの再構築と復活

しかしリーマンショックによる世界的な不況の打撃を受け、経営状態も悪化。2010年代後半以降になってから、クロックスは事業再編とブランド戦略の見直しにより復活を遂げたと言われる。2017年には累計販売足数が3億足を突破。その後、世界的なパンデミックにおいては医療従事者に向けた無償提供キャンペーンを実施するなど社会貢献をアピール。同時に世界的な在宅時間の増加に伴って、クロックスが志向する疲れにくいフットウェアは世界的に需要が喚起されることとなった。2022年には前年比57%増の驚異的な成長を記録している程であった。
再度、フットウェアブランドとしての立ち位置を確立したクロックス。そのデザインは「究極の快適さ」と「カジュアルな楽しさ」をコンセプトに据えており、その説明に違うことのない製品でもある。従来のクロスライトは、閉セル構造の発泡EVA樹脂であり、耐久性が高く水・汚れに強いほか、体温で柔らかくなって足にフィットする特性を持っている。更に2018年に新開発されたLiteRide™は、従来素材比で40%柔らかく25%軽い素材で更にクッション性に優れていることが謳われている。

そんな従来素材より柔らかい新開発のLiteRide™フォームを組み合わせて、従来モデルを超える快適さを実現したのが、クロックスのリカバリーシューズライン。足入れ感はゆったりしており、通気性確保のためアッパーに大きな換気窓を設けるなどデザインも工夫されている。
リカバリーシューズとは何か?定義と機能

そもそもリカバリーシューズとは、スポーツや日常生活で疲労した足を回復させることを目的に作られた靴である。一般的なシューズよりもソールを厚くした高いクッション性が特徴で、歩行時の衝撃を吸収し足裏全体をやさしくサポートしてくれる。具体的には、厚底と高反発クッションソールによって踵やアーチ部をしっかりホールドする設計が多く、疲労回復や足裏の負担軽減に有効であるとされるのが一般的。
使用シーンと選ばれる理由

使用が想定されるシーンとして、ランニングやジム後のクールダウン、長時間立ち仕事やハイキングなど歩行後のリカバリー目的が主流。勿論、家で履くルームシューズとして、素晴らしく活躍するのがリカバリーシューズであると思う。実際に“足を休ませる”靴として選ばれている新たな定番だ。
ライバルブランドと比較される存在に
近年では厚底ランニングシューズで有名なホカやオニツカタイガー、ナイキ、OOFOSなど各社がリカバリーモデルを展開しており、足裏の疲れを癒すフットウェアは誰にとっても嬉しい選択肢になっている。快適さや軽量性、機能美を備えたこれらの製品と肩を並べる存在として、クロックスのメロウ リカバリー クロッグは非常に魅力的な選択肢である。