ボルネード723DC-JP。サーキュレーターで年中快適な空調、省エネを実現。

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VORNADOボルネードと言えば1946年にカンザス州ウィチタにて、サーキュレーターを世界で初めて発明した企業として知られている。その信頼の品質は現在までも高い評価を受け続けており「ボルネードに在らざれば、サーキュレーターに在らず」と喩えても良い程に、その性能は格別の実力を備えている。同社の製品は、そのウィチタ近郊の工場で設計され、多くの場合そこで製造されている。

特にDCモーターを採用した最上位モデル723DCは、従来の700シリーズと比してより消費電力が少なく、それでいて空気循環の効率も向上した。スムーズで直感的な操作を可能とした無段階スイッチが採用され、微風では驚異的な静粛性、強風では圧倒的なパワーが実現されている。しかも角度までも無段階調整が可能。そのキャッチコピーである「More Energy Efficient, More Powerful Airflow.より省エネに、より強風に。」をまさしく体現した製品であると言える。またこのモデルは、米国製である所も興味を惹きつけるものがある。

サーキュレーターで、ボルネードが選ばれる理由。

さて、カンザス州ウィチタといえば、航空機産業にとっては重要な場所といえる。小型機で著名なセスナ社やビーチクラフト社、ボーイング社に買収されたステアマン・エアクラフト社などはいずれもこの地で創業されており、第二次世界大戦期においては軍需産業を支えた場所であった。ボルネード創業者の一人である発明家ラルフ・オダー氏は、戦時中にそこで航空力学の研究やプロペラの開発と改良を手掛け、航空機技術を扇風機に応用することで、空気を循環させることを思いつく。

ボルネード723DCの外観

後に航空機部品メーカーを経営するサットン氏と共に、サーキュレーターの開発に着手。その基本構造は、プロペラやジェットエンジンが礎になった。大戦直後の1946年にはそれまでの扇風機とは一線を画す、初代「ボルネード・サーキュレーター」の製造販売を開始。そもそも19世紀後半にモーターの誕生と時をほぼ同じくして、アメリカにて誕生した扇風機であったが、当時その品質は必ずしも高いものとは言えなかった。その為ボルネードの製品は、市場から画期的なものとして受け止められていた。

しかし、そんな優れた製品もエアコンが普及するようになると、時代の流れには抗いきれず、瞬く間に淘汰されんとしていたようだ。1980年代になってから再び注目され始めたのは、サーキュレーターがエアコンと相克する関係でなく、寧ろその素質を引き立てる協力的な存在である事を再発見された為である。それは元来、創業者のラルフ・オダー氏が、プロペラに筒を組み合わせ、そこに翼が加わる事で強力な旋風VORTEX竜巻TORNADOが生み出される事を発見。その技術を搭載し、気流によって空気循環を促すという独自の発想と同社製品VORNADOの卓越した性能こそが、再評価されたものだった。

ボルネード製品を見てみると、デザインも優れて洗練されており、またその性能も秀逸である。723DCであれば、本体の大きさを感じさせない、収納時には可能な限りコンパクトにできる。しかも強力な風力に対しても、ビクともしない安定性を保った足元をしている。そんな風に無駄のない機能美に感じ入ることが出来たりする。

工業デザインとして、機能美。

ミキサー界においてバイタミックスというと、デザイン性も良く、優れて強靭なパワーを誇っている代物。それを用いてスムージーなどを作ろうという場合には、種や皮を含めても粉砕し、野菜本来の栄養素を余す事なく摂取する事が出来るようになるアメリカ製の逸品である。ボルネードはサーキュレーター界において、そんなバイタミックスのような存在に見えるほど、この分野において王者のような風格を備えているように思える。

扇風機とサーキュレーターの違い。

当たり前ではあるが、扇風機とはモーターでファンを回転させることによって、従来から団扇うちわ扇子せんすなどを用いて人力で行っていたような、風を起こして涼感を得るという行為を自動化させたものである。基本的には風に直接的に当たる事が目的になる。その為、短距離ながら広範囲に送風するもの。

エアサーキュレーターとは、より直進性の高い風を生み出す事で、空間全体の空気循環を目的にしたもの。空間内において暖気はより高層に、冷気はより低層に溜まりやすい性質がある。その為、空気の流れを生み出すことで、空間内で起こるそうした気温のムラを解消出来る。特にエアコンなど空調機器を使用している際に併用する事で、その能力を更に引き出せるようになるのである。基本的には、長い距離を狭い範囲に送風するもの。

このように基本構造は同じでも、使い方が違うだけで根本的に異なる部分がある。扇風機は汗ばむ夏時に使う事が想定されている季節家電。しかしながらサーキュレーターの場合には、オールシーズン活躍することが期待される家電である。つまるところ、冬場においてもヒーターやストーブを含めた暖房機器と併用する事で、効率的な空調を実現できる。通年使用出来る事で、押し入れなどに無駄なスペースを取らないという点も好ましい。

またその感覚の違いも大いなるものがある。空気循環によって間接的に風に当たっていると、身体全体が包まれる。特に夏場の就寝時には、扇風機の風に直接当たっていると局所的に冷やされている部分とそうでない部分との差異が著しいように感じるところである。しかしながら、サーキュレーターの間接的な風であれば、体全体に満遍なく行き渡る空気感が、より身体に対する負担や違和感を軽減してくれるものである。

しかもボルネード723DCの様に、より大きな体躯と微風な運転が可能であればこそ、まるでシーリングファンと同様の働きが期待できる。それは身体に対する違和感を益々低減させてくれる事に繋がるもの。しかも、こうした使い方においては冬場においてさえも風を感じる事がない。そうして空調機器の性能や効率を補助してくれる訳であるから、より頼もしい存在として活躍してくれるに違いないのである。

ACモーターとDCモーターの違い。

ACとは交流電源のことであり、DCとは直流電源のことである。DCモーターの特徴としては幅広い強弱を調整可能であり、より省エネを実現できる為、ランニングコストを低く抑える事ができる。しかし同時に製造コストがかかる為、販売時価格もそれに比例して高くなりがちである。ただし今後の需給バランス次第では、その価格差も大したものにならなくなる事も考えられる。

ちなみに1880年代後半には、直流DC電源派のエジソン交流AC電源派のウェスティングハウスやテスラなどの間で電流戦争と呼ばれる、社会インフラとしてどちらが適しているかという激しい論争が巻き起こっていた。実はその余波は扇風機にも波及していたのである。

1893年に世界で初めて販売された扇風機は、ウェスティングハウスが設立したウェスティングハウス・エレクトリックWEC社製のものであった。またエジソンが設立したゼネラル・エレクトリックGE社は、直流電源を用いた扇風機を発明し、その技術を用いて芝浦製作所現在の東芝が翌年の1894年に日本で初めての国産扇風機を販売している。その後、当時の論争において交流電源が優位に立つにつれて、直流電源を持ちいた扇風機も次第に姿を消していったのであった。

723DC、無段階のダイヤル調整。

閑話休題、DCモーターを用いた723DCで見ると、その特徴通りに無段階の調整が可能でありながら、超微風から爆風までも幅広い設定が可能。そよ風程度の動作であれば、ほぼ無音の状態を維持する事ができる為、特に寝室などでは重宝するところである。かといって、真夏の部屋へ帰宅した直後のような熱風を屋外へ排出せんという時には、最大風量によって短時間で居室内の換気を実現できるのだから、この利便性足るや凄まじいものがある。

ACモーター採用のモデルであれば、数段階の風量設定が主流。その消費電力についても風量と比例するという訳ではない。どちらかといえば一定に近い形で増減するものである。方やDCモーターであれば無段階の風量調整が可能で、その設定に応じてほぼ比例するような形で消費電力が増減する。しかも例え爆風のような設定であってもACモーターと比して消費電力が少ないとなれば、嬉しい事この上ないところである。

ボルネード製品、首振りが敢えて備わっていない理由。

ボルネード社が説くところ、首振り機能がない事が空気循環にとっては重要な事なのだという。自然界の空気の流れを分析すると2つのポイントが見えてくるのだという。それは「大量の空気を動かす力」と「直進性」というもの。

特にボルネード製品は航空力学を駆使しており、風向きを決めるカバー、筒状のダクト、効率の良いプロペラ、独自の吸引口とのコラボレーションによって、強力な空気循環を実現する。首ふりは、空気の攪拌のみで循環を目的としない方法だ。強力で直進的な風を一定の場所に空気を送り続ける。それが長年ボルネード社が効率的な空気循環を突き詰めた結果、辿り着いた答えなのだという。

実際、直接的な風では無くとも、間接的に部屋全体を循環する空気の流れは、身体の一部に吹き付けるものではなく、全体を包み込むようなもの。それが故に寝床で用いるには、扇風機よりもサーキュレーターの方が寝起きも清々しい。特に723dcのように直径が大型のモデルを使用すると、静寂に包まれたまま、緩やかに天井まで風が届き、気持ちの良い空気循環を達成する事ができる。

ボルネード723DC-JPと定番モデル660-JPを比較。

従来よりボルネード社のサーキュレーターには定評があり、特に定番モデルと呼ばれる660などは非常に評判高い製品。スペックや価格を鑑みてもバランスが非常に取れている。そんな製品とフラッグシップとも言える723DCのスペックを比較する。

メンテナンス性も重要。

その際に性能は勿論であるが、購入の際に指標にしておきたい一つにメンテナンス性がある。その心は、空気を吸い込む製品である以上、その性能を最大限に引き出す為には埃掃除が定期的に必要となる為である。

サーキュレーター723DC-JP660-JP
モーターDCモーターACモーター
大きさ約幅41.5*奥行き46.5*高さ46.5cm約幅30*奥行き35*高さ38cm
本体重量約4.8kg約3.3kg
電源100V(50/60Hz)100V(50/60Hz)
風量設定無段階4段階
消費電力強60〜弱2w未満ターボ53、強43、中36、弱29w
1時間当たり電気代(1w=27円換算)1.62~0.05円以下ターボ1.43、強1.16、中0.97、弱0.78円
回転数1910~310rpm1350~650rpm
風量18.55~2.63㎥/秒以下15.85~6.93㎥/秒
風の届く距離約30.5m約25m
保証期間5年3年
適用畳数45畳35畳
備考・メンテナンス時、ツメ3カ所を外し、プロペラ取り外し可・メンテナンス時、ネジ3か所を外し、プロペラ取り外し可

サーキュレーターの使い方。空気循環で省エネ。

サーキュレーターはトロトロとでも回転する事で、空気の流れを生み出す事ができる。そうする事で室内空間における温度のムラが無くなり、それまで以上に空調機器の効率が向上する事が期待される。そうした意味においては、シーリングファンと同様の用い方が意図されるもの。

首振りを行えるタイプのものも存在するのであるが、上記でも示したとおりボルネード社が拘るのは首振りしないというシステム。動かない事によって、空気を循環させる事ができる。それは扇風機のように、空気を撹拌させるというだけに留まらない目的に即した仕様なのである。空気の流れも自然界において、水の流れや物を動かす際に働くのと同様に慣性の法則に従う物である。

当初、空気を動かす際には大きな力が必要なものの、ある程度に空気の流れが生まれた後には、より小さな力を加えるだけで良くなるのだという。つまりは最初の数分間に強風を用いた後は、中風から弱風に変更して用いると良いようである。ただしサーキュレーターを用いたからといって、室温自体を変化させる効果は無い事に留意したい。

その目的は温度ムラを解消する事にある。または空気循環する事による風速の変化で、体感温度を多少下げる事はある。根本的に重要な事は、空調機器と併用する事で、その効果を高め、効率的で省エネな運転を援助するという部分である。

エアコンのない部屋に、ある部屋から空気を送る。

エアコンのない部屋、付けられない部屋などに、適切に空調された隣の部屋から空気を送る。その際に非常に有効なのは、空気循環を目的に開発されたサーキュレーターである。これを用いる事で、隣室を急速に空調させる事が可能になる。これは冷房も暖房も同様の事。

急速に換気を行う。コロナ渦中におけるウィルス対策にも。

空気を循環させることのみならずサーキュレーターが活躍するのが、排気と吸気である。開け放った窓から外に向けて最大風量で運用する事で、室内の換気を通常よりも早く、あっという間に行うことが出来る。冷暖房などの空調機器を運転させたまま、定期的な換気を素早く行う事で、冷暖房の負担にもなりにくい。新鮮な空気を取り入れたら通常の使用法で空気を循環させ、一気に再度空調を整える事が出来る。

部屋干し洗濯物を、逸早く乾燥させる。

洗濯物を部屋干しせざるを得ない場合、洗った靴を乾かすなどの用途において、風邪を直接当て続けるというのは有効な策の一つである。勿論、除湿機や乾燥機などを用いるのも良いけれども、この方法に依拠すれば電気代をほとんど気にする事なく使用できる点も良い。次に扇風機を代用する方法もあれど、やはり風が拡散されてしまったり、その角度も制限されがちである。

サーキュレーターの良いところは、省エネでありながら首の角度を自由自在に変化させる事が出来る点である。例えば723DCの場合ならば、真横の0度から真上を過ぎる100度まで変化させる事が可能である。それによって効率的に一部分に大量の空気を送り込む事が可能だ。

吊るした洗濯物に向けて真下から風を送ると、衣服が立体的に膨らむ。空気がズボンの裾から腰に抜け、シャツの裾から首や腕へと抜けていく事で、効率的に湿気を気化させる事が出来る。または靴を洗った際には、真横に向けて使用する事で、床に置いた低い場所に向かってピンポイントで風を送りつける事が出来るのも、その優れた特徴として挙げられる。

Vornado(ボルネード): Vornado(ボルネード)
このコラムの筆者
ZINEえぬたな

"古典は常に新しい"をモットーとして、相続されるべき普遍的な「価値」を次世代へ継承。

個人で編集するZINEをブログ上で運営。「えぬたな」は一つ一つの記事を読み切りとして編集。自らの写真と文章で、ヒトの思いを伝え、世の中の良いモノ、残すべきコトを紹介。

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