不変の定番、英国製ポロシャツ。フレッドペリーM12レビュー。

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フレッドペリーのM12といえば、ポロシャツの中でも名品として君臨し続ける大定番。襟と袖に備えられたティップラインと呼ばれる特徴的な2本線のカラーリングは、誰もが一度はどこかで目にしたことのあるデザイン。まさにそれこそが、M12のアイデンティティである。フレッドペリー氏本人が12番目にデザインしたポロシャツで、1952年から長きに渡って愛用され続ける逸品。英国製に拘って作り続けられており、通称「Fred Perry Shirtフレッドペリーシャツ」と呼ばれて親しまれている。同社を代表するプロダクトでもある。

ポロシャツの御三家と言えば、ラコステとラルフローレン、そしてフレッドペリーの名が挙げられる。中でもラコステのL1212とフレッドペリーのM12は、実際に発明した両名ともに著名なテニスプレイヤーであったという共通項がある。その為、実践的でクラシカルなスポーツウェアとして実用と奢侈の両立が図られた名作。ドレッシーでありながらカジュアルさも備えたポロシャツ、多くの場面で活躍してくれるもの。当然、これらの製品から漂う上品さは格別で、着心地も最良のもの。ワードローブに一着は備えておきたい名品なのである。

襟袖の2本ラインが特徴、定番ポロシャツ。フレッドペリーM12。

フレッドペリーM12、優れてカッコ良いポロ。

フレッドペリーM12の特徴的なラインは、ポロシャツのデザインとしては非常に有名なもの。そしてシンプルなコーデであっても差し色がアクセントとなり、中々に映える。一枚で着こなすというのでも優れた逸品であるけれど、勿論上からジャケット類を羽織るというのも一興。またインナーウェアを着るという手段は汗染みを防ぐために重要であるけれど、黒ポロシャツの場合には一枚で着ていても特に目立つこともない。しかもそうするとカノコ生地特有の柔らかな肌触りと清涼感が感じられる。

細身でも、合わせやすい。

特徴的なラインは、後ろから見た場合にも良いアクセントとなる。黒ポロシャツに白と赤という配色は、M12においてはテッパンのモデルでもある。黒や紺といったダークなトーンで統一的に組み合わせたコーデであっても、このような差し色が入ることで全体が引き締まる。また黒と赤というのは高級感さえも感じるような相性の良い彩色で、キヤノンの高級レンズ群でもあるLレンズ、GショックのスクウェアモデルM5110などにも採用されていたりする。当然、着ていても安定感があり派手すぎず、どこででも安心して着ていられる。

特有のラインが美しい、フレッドペリーM12。

とはいえ、そもそもポロシャツそのものが、紳士のスポーツでもあるテニスから生まれた経緯もあり、動き易くて上品な佇まいが保証されている。そうした観点から見ても、汗ばむ季節にとって活動的なシーンにも持ってこいのアイテムといえる。例えば散策などには持ってこい、歩き回って喫茶などに入り込むといった場面でも何ら不自由の無い佇まいが嬉しい。

動きやすく、清涼感。おしゃれなM12。

比較的にカジュアルな場面においては重宝するところであるが、ヨーロピアンカジュアルな佇まいとも相性が良い。ただアメカジを代表するブランド、ポロラルフローレンがポロシャツメーカーとしても著名であることを鑑みれば、当然ながらアメカジコーデとしても無問題。

モッズなコーデは、テッパン。

フレッドペリーがイングランドを代表するメーカーであることを踏まえたコーデ。例えばボトムスをチノパンやスラックスでスタイリングすれば、基本的には間違えにくいアイテムである。とはいえ当たり前のことであれど、そう難しく考えずとも当然ながらTシャツやカジュアルシャツと同じく大抵の服装と合わせやすいポロシャツ。綺麗めな大人、紳士の佇まいを志向するというのも良いが、このポロシャツは英国における音楽シーンやモッズ文化と切り離して語ることも出来なかったりするところもミソ。

英国で流行した、モッズなスタイルでも。

因みに英国ロンドン周辺における労働者階級の若者達が、1950年〜1960年代にダンスフロアなどで所謂ブラックミュージックに興じて踊り明け暮れる。そんな彼らが支持した流行ファッションや音楽などを含むライフスタイルがモッズと称された。今ではモッズコートとさえ呼ばれて親しまれる米軍の野戦用外套として採用されていたM-51、三つボタンのスーツ、ドクターマーチンのレースアップブーツ。これらはモッズファッションを代表するようなアイテムで、それらを組み合わせたファッションは若者たちにとって自己表現の一部であるとさえ見做されていた。

M12。襟袖のラインが、映える。

特にモッズの場合には、全体的に細身なシルエットであることもその特徴として挙げられる。もっとも現代的に解釈するならば、革靴のみならず綺麗めなスニーカーと合わせてもっとカジュアルダウンしてみるのも好印象。上記で示した通り、ミリタリーとワークカジュアルなアイテムに身を包んだスタイルは、モッズファッションの代表的なものである。そしてフレッドペリーM12も、まさにこのモッズたちに支持されていた代表的アイテムの一つとなっていた事も、外せない事実であったりする。

ブラックチノと合わせた、M12。

フレッドペリーがデザインした12番目の製品であることを意味するM12であるが、先に示す通りにこの製品は長らくこのようなサブカルチャーの担い手達によっても愛用され続けてきた名品である。歴史的な流れを追ってみても、1960年代前後には衣服がオーダーメイドであった時代から、大量生産と大量消費の時代へと変遷を遂げていた。

動き易いM12で、散策する。

この頃から一般的に多くの既製品が流通するようになったことから、人々がファッションを自己表現の道具や象徴と見做し、おしゃれを楽しむ事が出来るようになった。そんな時代に英国に生まれたモッズという潮流は、同時期に米国で生まれたアイビールック、日本のみゆき族と共に若者が牽引する新たな文化であった。そのような意味においては、ストリートファッションの先駆けと表現する事もできる。配色のバリエーションも多く、動きやすいという機能的な衣服。それはこれまで趨勢であった上流階級のスタイルからは異質なものでもある。

細身なシルエットは、テッパンコーデ。

当然にM12とモッズファッションとの相性は良く、特に細身なシルエットで合わせるとその王道ということも出来る。3つボタンジャケットのインナーにフレッドペリーM12、テーパードの効いた細身なジーンズに革靴。そんなスタイルは当時の若者たちにとって定番的コーデともなっていた。実際、ラコステの定番ポロシャツであるL.12.12と比べると、よりスタイリッシュでスマートな形状だといえるのがフレッドペリーのポロシャツであったりする。こうした英国的な洗練された雰囲気がまた心地良いのである。

フレッドペリーで、夏を爽やかに。

このアイテムを用いてコーデを組む際には、そこから醸し出される上品でいて上質な雰囲気が必ずや味わえるというもの。当たり前ながら、現代においてもテーパードの効いた細身のリーバイス511などといったデニムとの相性も抜群のものがある。しかしここまでの解釈においては、細身で綺麗めなコーデで攻めるのが良いというべきであろうが、意外にもビックシルエットとの相性も悪くないというのも付け加えておきたいところ。

M12で、森の中を歩く。

フレッドペリーM12のサイズ感、身長約170cm。

身長約170cm、着用サイズ42。

身長約170cm、体重約60kg程度の場合、イングランド製フレッドペリーのM12サイズ感としては、38が丁度良いようである。個体差も多少ある為に製品ごとに多少の差異が認められるが、大抵の場合は38でピッタリ。同じく英国製のM3も大体同じ程度である為、もっとゆったりとビッグシルエットに着用したい場合には、40や42という選択肢も好い。

身長約170cm、着用サイズ38。

サイズ感の違いのよる着こなしは、様々なスタイルと組み合わせてコーディネートする事が出来る。ときにゆったりと、ときにスマートに。定番M12は一つ持っておいて損は無い、春夏のコーデを引き締めてくれるアイテム。

M12、インナーとして用いる。

インナーとしても秀逸で使い勝手が良い。上着を脱いだときでも完成されたスタイリングとなる。このように考えると、ポロシャツは上品なTシャツとして考えてみても良い。特にM12のような上質さや快適さを保った製品であればこそ、どこへ赴くのにも妨げにならず苦にならない。

Amazon.co.jp: FRED PERRY(フレッドペリー)
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このコラムの筆者
ZINEえぬたな

"古典は常に新しい"をモットーとして、相続されるべき普遍的な「価値」を次世代へ継承。

個人で編集するZINEをブログ上で運営。「えぬたな」は一つ一つの記事を読み切りとして編集。自らの写真と文章で、ヒトの思いを伝え、世の中の良いモノ、残すべきコトを紹介。

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