ポロシャツの王道にして原点、ラコステL1212。フララコと比較。

ファッション

ポロシャツの原型といえば、フランスの名テニスプレイヤーでもあったルネ・ラコステ氏の手によって誕生したものと言われている。現在においても、彼が創立したアパレルブランドであるLacosteラコステ社といえば、誰もがワニマークのポロシャツを連想するほど、その認知度は世界中で定着している定番中の定番である。

中でも1933年に創業した当時から、同社を代表する半袖ポロの代名詞といえば、L.12.12と呼ばれる型番。フランス最王手のニットメーカーで社長をしていたアンドレ・ジリエ氏と共に会社を立ち上げ、自身の粘り強いプレースタイルを表したワニを胸元に刺繍し、スポーツウェアを製造する。正にその時からポロシャツの元祖とも言える存在として君臨するのが、このモデルなのである。

L1212という発明。ポロシャツの古典的名品、メンズコーデ。

L1212で、アクティブにゆったりと。

L1212の存在は、正にポロシャツの歴史そのものであると言える。クラシカルで正統派なデザイン、テニスコート内での動きやすさと紳士スポーツとしての体裁を保つエレガントさを両立した機能性。当時から変わらぬ完成された伝統のレシピが、連綿と継承されているものだ。コットンピケ鹿の子を用いた事で、動き易くサラッと涼やかな感覚は、運動着としても最適であった。

また通気性と柔軟性に優れるピケ生地の発明と共に、それまで無地が当然であった衣類の外装にロゴマークを配するというデザインを初めて採用したのもラコステであり、こうすることで爆発的に売上が伸びたことでも知られている。

ラコステL1212、クラシックフィット。

日本製のものの場合、上質で高級な繊維の長いスーピマコットンが100%素材として用いられており、その製品は毛羽立ちにくく型崩れもしにくく丈夫、光沢感があり柔らかで滑らかな肌触りが特徴となっている。ガシガシと用いたとしても何ら問題なく使用でき、それでいて何時までも上品さを保つ事の出来るポロシャツだ。

デザインの異なるポロシャツ界の両雄。

ラコステと並び称されるフレッドペリーポロシャツなどと比べると、更にクラシカルなボックスシルエットなデザイン。より落ち着いた雰囲気で着こなすことが出来る逸品である。飽きのこない古典的名品であって、これからも多くの人々から支持され続けるであろう春夏コーデにおける鉄板アイテム。必ずやいつまでも手元に置いておきたいもの。

因みにルネ・ラコステ氏とフレッド・ペリー氏は共に、伝説的なトップテニスプレイヤーとして活躍。つまりは両者共に実践を伴った製品開発が為されていると見えて、非常に好感が持てるアパレルブランドとなっている。

ラコステ象徴のワニ。その精神は、後世に受け継がれる。

ちなみに創業者のルネ・ラコステ氏は、1925年から1929年の5年間だけでテニス世界四大大会のうち全仏・全英・全米の7回優勝を果たすなど、伝説的なテニスプレイヤーとなった。その功績によって、1976年には国際テニス殿堂入りを果たしている。しかし1929年の全仏オープンを最後に結核を患い、25歳という若さにして現役を引退する事となってしまった。

結核は当時においては、不治の病として非常に恐れられた伝染病である。これに罹患した事は、身体面のみならず、心理面においても少なからず影響を受けたものと推察できるのである。そしてその僅か4年後には、新たなテニスシャツの発明に取り組み、フランス北部のトロワにて工場を設立するに至った。

粘り強きワニが、シンボルマーク。

ところで前述したように、ラコステのロゴマークといえばワニである。由来として彼が現役時代の遠征中、アメリカはボストンの用品店でワニ革のスーツケースが目に留まった。すぐさま大切な試合を前にして、フランス代表のキャプテンに掛け合って、次の試合に勝ったらコレを贈って欲しいと懇願。その了承を得るも、試合には負けてしまったようである。

フララコでのシンボルマーク。

この時に話を聴いた記者が、「若いラコステはワニ革のスーツケースを手に入れることは出来なかったが、その戦いはワニのようだった。」と粘り強く球を打ち返すその戦いを称賛して評し、米国ではアリゲーター、母国ではクロコダイルと渾名された。そうした事から、自身の名前を冠したアパレルブランドのロゴマークをワニとしたのだという。

しかし、その粘り強さは、一度は恐るべき感染症によって選手生命を絶たれてしまった、いや自身の生命そのものを危ぶまれた彼が、ポロシャツの発明とデザインによって再起を期す。そんな状況にこそ、まるで相応わしいロゴマークである。勿論、L1212の胸元にも輝いており、それを身につける者にとっては、幸運の印のように思え、更には希望さえも与えてくれる存在だ。

2020年においては、伝染病の暗い影が全世界を覆った。そんな新型コロナ渦中において、ラコステ氏が最初に創立したフランスのトロワ工場では、縫製ラインをフル稼働させて医療用マスクを大量に生産。ラコステ氏の粘り強さを象徴するワニのロゴマークは、これからもその精神を宿し続け、人々に戦う勇気を与えてくれているようにさえ感じられる。

ラコステ氏のテニスコートにおけるプレースタイルは粘り強く、まるでワニのようだと喩えられた。しかしそれ以上に、彼自身の人生に対する不撓不屈ふとうふくつの精神と苦難に立ち向かう真摯な姿勢こそ、このシンボルマークが象徴しているもののように思えてならないのである。ワニの刺繍が胸に輝いているだけで、誇らしい。

向上心をもって臨めば、どんなことも純粋に楽しめる。テニスコートでも、普段の生活でも…。

ルネ・ラコステ

フララコとは。L1212のフランス製と日本製の違い。サイズ感。

素晴らしき日本製、フララコと並べる。

ラコステは当然ながらフランスで創業されているため、そもそもフランス製であるほうが好ましいと考える人々が居ることも頷ける。フランスの工場で作られたポロシャツは、フララコと愛称されている。実はラコステにおいては、アパレルメーカー全てが煽りを受けると言っても良いコスト管理の面などから、海外のメーカーに外注するファブレス化が進行する事となった。それはL1212も御多分に洩れず。

フララコのL1212、サイズ3。

こうした流れの中で、1990年代頃より一度フランス製のL1212は、日本での流通が失われてしまった時期もある。ただし落胆するのは早計、このL1212オリジナルで用いられた製法は、高い水準が保たれたラコステの生産管理下で、世界中の工場でも同様、厳格にそのレシピが守られて生産され続けている。

中でも日本において独占製造販売権を得ている旧ファブリカ社(現ラコステジャパン)が秋田の工場で手掛ける日本製の製品は、より高い水準の生産管理、縫製技術によって世界一の品質であると称される程。ただし、クラシックフィットやレギュラーフィットやスリムフィットなどサイズ感やシルエットなどが若干異なるラインも存在する事に留意したい。

ラコステのロゴマークにも、若干の違い。

日本製とフランス製を比べてみると、いくつかの相違点が見受けられる。ロゴマークを見てみても、ワニの表情やしっぽや手足のギザ模様など、ニュアンスが若干違うようにも見受けられる。日本製ワニの表情のほうが柔和に見え、大してフランス製ワニの表情のほうがより迫力が感じられるというのもご愛敬である。ちなみに、ミシンか手縫いかを問わずして約1600のステッチが必要とされている。

日本製のほうが、若干身幅が広い。

日本製とフランス製、同じサイズ3で重ねてみると一目瞭然、身幅や袖丈が若干ではあれど日本製の方が広く、フララコが狭いようである。ただし、個体差もある可能性を考慮する必要はあるが。

フランス製のほうが、若干着丈が長い。

着丈の方はというと、反対に日本製の方が短く、フララコが長いようである。長さにして約2cm程度の差がある。日本企画のものであれば、日本人に合わせたサイズ感が採用されていることが分かる。

ボタンの形は、平たいオーロラ色。

フララコも同様に天然貝ボタンが使用され、上質感に秀でた衣服である。光の加減によって虹色のような、オーロラ色のような多彩な輝き方をしてくれる。日本製のL1212と比べると、ボタンは平たく少し大きめで扱いやすい。全体としての着心地としてもシルエットも細めでよりスッキリとした着こなしが可能である。

現在でもフランス国内で流通するラコステは、トロワ工場を含めてEU圏域内で製造されたものであるという。そうした中でも「MADE IN FRANCE」と銘打たれたポロシャツが、全く日本国内に流通しない訳ではない。時にはこうした製品群にも触れたいものである。

ラコステの王道ポロシャツ、L1212の概観と着こなし。

上質で厚めのスーピマコットンで織られた鹿の子生地は、光沢感が映える。袖口にはリブが施され、腕の激しい動きにも追従する提灯袖。テニスやゴルフなどのスポーツで着用されることを想定して設計されているため、その動きやすさもピカイチのものがある。襟と前立てなどが、何度も洗濯しても型崩れしにくいのも優れた特徴だ。

袖にはリブが施されている。

それに遠目で見ても一目で分かる程に、天然貝ボタンが非常に美しい。このワンポイントによって大いに、このポロシャツの上質感や高級感を更に高めている。しかし予備ボタンまでは用意されていない為に、ボタンが取れて無くなるという状況には注意したいところである。

ボタンは天然貝、オーロラに輝く。

貝ボタンの美しさは、着てみて分かるところがあるが、オーロラ色彩に輝く。こうした部分にもコストをかけている点は、よく上質なシャツにて拝見する心意気。そういう意味では、ジャケットを羽織るなどといったコーデにも十分最適化できるものである。

日本製L1212の表示タグ。

ラコステの日本製L1212との表示。袖を通す程に分かる着心地の良さは至極のもの。しかもクラシックフィットは素晴らしく完成された製品である。このデザインを基礎として、模範として、多くのポロシャツが製造されているものと思われる。それほどにベーシックなシルエットでありながら、それでいて最上級のアイテムとして存在する。

サイズ感としては、身長約170cm、体重約60kg程度の場合、サイズ3はゆったりとした着心地で着る事が出来る。もっとフィット感が欲しい場合は、サイズ2でも気持ちよく着こなすことが出来るものと思われる。サイズ表は以下の通り。

サイズ表ラコステL.12.12(日本製)
2(日本S)肩幅42.5cm、袖丈21cm、身幅48cm、着丈69cm
3(日本M)肩幅44cm、袖丈22cm、身幅51.5cm、着丈70.5cm
4(日本L)肩幅46cm、袖丈23cm、身幅55.5cm、着丈72cm
5(日本XL)肩幅47.5cm、袖丈24cm、身幅59cm、着丈73.5cm
6(日本XXL)肩幅50cm、袖丈24cm、身幅62.5cm、着丈75cm