Championにおける定番の逸品、T1011は同社のスウェットシャツと並んで著名なカジュアルウェア。このTシャツは、1930年代に誕生してからというもの現在に至るまで長らく支持を集め続け、袖を通した多くの人々の心を着実に掴みとってきた超ロングセラーモデル。1919年に創業されたチャンピオンが開発してきた数多の製品群でも、特に長い歴史を持った息の長いである。またアメリカ製に拘って生産されており、同国を代表するような逸品である事は間違いない。
その特徴は何と言っても「Heavy Weight T-shirts」とチャンピオンが公式に標榜する通り、USコットン特有のドライで肉厚な生地感。その風合いにアメリカの雰囲気を醸し出している。ざっくりとした着こなしに定評がある製品ではあれど、そのシルエットは決して野暮ったくならずに洗練した印象すら持ち得るものである。そのような普遍的な美的価値観は、世代を跨ぎつつも支持される土壌があり、長年盤石に支持され続けてきたことを納得させてくれる。
一枚でキマる名品、T1011とは。
通年使用は当然の選択肢であるが、T1011の嬉しいところは一枚でスタイルが完成してしまう所である。勿論季節に応じた着こなしには重ね着も良いが、家でまったりと寛ぐシーンや春夏の暖かなシーズンにぶらぶらと気楽に出かけるシーンでは最良のアイテムと成り得る。上質でありながら肩肘張らないお洒落として、衣装箪笥に万年常備しておくのも吉。
また半袖から長袖、七分袖など選択肢も用意されており、趣向や季節やTPOに応じて幾通りものコーデを楽しむ事が可能である。基本的には主に下記のラインナップ等が用意されている。
01. クルーネックTシャツ(ポケットTシャツもあり)
- 半袖(ショートスリーブ)C5-P301
- 半袖(ショートスリーブ)C5-P301
- 長袖(ロングスリーブ)C5-U409
- ポケットTシャツ長袖(袖口リブ)C5-P401
02. ラグランスリーブTシャツ
- 半袖(ショートスリーブ)C5-T306
- 七分袖(3/4スリーブ)C5-P404
- 長袖(ロングスリーブ)C5-Q401
03. フットボールTシャツ
- 七分袖(3/4スリーブ)C5-P405
生産中止T1011、日本に残る歴史遺産。
T1011には前述のように多くの選択肢が用意されており、また無地のものだけでなくプリントTシャツも存在。特にチャンピオンのカレッジTシャツは、オフィシャルカレッジライセンスシリーズとして著名で、各大学の学校生協で販売されている。そもそもチャンピオンで言わずもがなのスウェットが広まったきっかけが、安くて丈夫な運動競技用の衣服として大学教員に着目されたことによる。
その良質さによって、口コミでチャンピオンの名声も広まったとされる。そして運動着だけでなく普段着として用いられるようになったのは、このように大学内の生協によって生徒たちに浸透して受け入れられたことに端を発する。リバースウィーブという画期的技術が開発された1934年と同年に、大学の生協でTシャツの販売が開始されており、当時はT1011の前身である77QSが並んでいた。
それまで米軍の訓練用シャツにも採用されていた動き易いチャンピオン製品が運動着、そして普段着として定着するのは当然の成り行きであったように思える。T1011の前身を含めると1930年代から生産され続けている歴史的遺産とも言えるTシャツであるが、本場米国では1999年には生産中止に追い込まれている。ただし日本での根強い人気もあり、日本企画のT1011が2004年春夏シーズンから復活生産を遂げたという名品。今も手にすることが出来るという幸運が嬉しい。
USコットンTシャツ。7oz肉厚生地。
圧倒的に激しい運動にも適するかどうかといえば、現代においてはそれなりの衣類が相応しい事もある。しかしスポーツライクな普段着としては、ドライで動きやすい着こなしでT1011は優れた活躍が期待できる。USAコットンの7ozという肉厚の生地も好印象で、Tシャツ一枚でも透け感に不安になることも無い。
それでも決して分厚すぎない絶妙な塩梅、温暖な季節にアスレチックに散歩するという場合にでも快適。使い込めば使い込むほど、洗えば洗うほどに味わい深く、着心地の良さも増していくという経年変化を楽しむことが出来るのもT1011の魅力である。
どのような物でも、長く使う事の嬉しさは格別であるが、そうした事実からしてもジーンズとの相性の抜群。アメカジなコーデには鉄板的に似合う。無骨で耐久性の高い、実用的なお洒落として。チャンピオンの名品T1011とリーバイスの赤耳などのセルビッチデニムなんて選択肢は、実に趣味性の高い着こなしである。シンプルなれどカッコ良い、ラフで実用的な定番スタイルは、多くの場面で重宝すること間違いなし。
野山を散策する。多少活動的なシーンにおいても活動しやすく快適な生地感。T1011に採用されている多少使い込んだようなガーメントウォッシュという加工が施された生地感は、ドライで柔らかな生地感。見た目にも良いのは勿論の事、休日のちょっとしたアクティビティにも最適な程に着心地が良いのである。
このアイテムの魅力は素材、選定、縫製に至るまでメイドインUSAに拘り生産されたというところにも存している。まるでデニムのように頑強な衣服としての信頼感も厚い。これは同じくチャンピオンの名品の一つである赤タグのスウェットシャツにも通じて言える事で、末永く使い続ける事を考えればコストパフォーマンスにも優れた逸品であるともいえるものだ。更には経年変化が楽しみになる道具なのである。
経年変化が嬉しいアメリカ製T1011。
T1011はアメカジの定番として重宝できる。アメカジの良さは総じて実用性を兼ねた工業品であるように思える。であるから一張羅として、華奢に扱うというよりは、もっとガシガシと運用していきたい。多少の汚れなんて気にしない。それが却って道具に対する愛着を増す。
土埃にまみれ、汗にまみれ、ガシガシと洗濯する。そうして洗濯を繰り返すほどに、生地の繊維はしっかりと密着密集し、更に味わい深さを増すものである。ちなみにガーメントウォッシュ加工によって洗いが施されているため、最初から縮みにくいのも特徴。
頑強さを担保しているのは、ただ単に肉厚であるという生地感だけではない。長期使用が想定され、襟首にバインダーネックが採用されている事により、継続的にヘビーローテーションを繰り返していたとしてもヨレなどに成りにくい仕様となっている。またスポーツウェアとしてラグランスリーブが採用されているモデルの場合、肩や腕にかけて着用者の動きを邪魔しない。アスレチックウェアとして開発されたT1011は、そうした点からも高い信頼性が担保されている。
インナーなども着用せず、T1011をただの一枚羽織るというだけでスタイリングが決まるのは嬉しい。例えば夏、汗を沢山かいてしまったとしても、どんどん洗濯機に放り込んで行けばいいのである。前述する通り、寧ろその方がT1011の味わい深さは増していくのだから。時には街を歩き回ったり、時には野原を駆け巡ったり。気持ちの良い人間生活を謳歌できる、それがこのTシャツの魅力のようである。
白T。乳首の透け感、全く無し。
涼し気で爽やかな印象が期待できる白Tは、夏の定番スタイル。ただしこのコーデの場合に気になる問題点は、乳首や下着の透け感である。勿論インナーにベージュ系の肌着を身に着けるという方法もあるが、やはり暑い夏であるからこそ、サラッとした一枚で着こなしたいという願望もある。そのような欲張りな着心地を実現してくれるのが、チャンピオンT1011だ。そうして清涼感、清潔感の塊、半袖白Tを積極的に用いたシンプルな着こなしをもっと楽しみたいところ。
例えば、デニムパンツとサラッと合わせた時の清々しいカッコ良さは特筆に値する。なんといっても圧巻の良質さが否応が無く雰囲気として漂う。ガーメントウォッシュ加工特有のムラ感、USAコットンが醸し出すドライ感、その全てが見た目にも手に取ってみても矢鱈と心地よいのである。まさにこのチャンピオンが生んだ名品は、1930年代より改良を経ながらも到達したヘビーウェイトTシャツとしての金字塔。その歴史の意味を着る者すべてに感じさせ、あるいは納得させてくれる。
Tシャツとしての丈感も長すぎず、短すぎず、アウトしてもインしても好ましい。厚手の生地感は、朝夕になると少しずつ涼しい風が抜けるようになった晩夏から初秋にかけては、非常に心地よい。散歩していてもUSコットン特有ともいえるドライで気持ちの良い肌触りは最高のものがある。
通年着こなす。長袖、七分袖T1011。
勿論、一枚でも完成度が高い製品だとはいえ、春夏秋冬と通年使用も期待できる。重ね着した際のインナーウェアとしてもUSコットンの特徴的ドライな肌触りが気持ち良い。無地のT1011であれば特に多くの場面で重宝する。厚手な生地感であることも重要で、健康診断でX線検査なんて使い方も利便性が高いのではないだろうか。思い返してみれば、多くの場面で無意識的に手に取ってしまう製品。しかも、最強のルームウェアとしても活躍する。ただの一着だけでも保持していると、ただそれだけで好い。
特に春や秋といった朝晩と日中の気温差の激しい季節にも応用が利く。ヘビーウェイトな厚手の生地感であることによって、多くの場面で活躍する。長袖のT1011を捲り上げて着るのも良し。肌寒くなってきたら、単純に長袖として着用するのも良し。見た目にも上質感が漂い、好感度は高い。無骨でありながら、カジュアルでもある絶妙なるバランスの取れた衣服なのである。
Champion/ティーテンイレブンのサイズ感。
このラグランスリーブのタイプはかっちりと着こなすというより、もっとラフ感のあるコーデと相性が良い。また通常のクルーネック丸胴タイプのT1011は、比較的大人なコーディネートが可能である。クルーネックとは首元が詰まったような上品さがあるものであるが、
同じくヘビーウェイトなクルーネックTシャツの代表格でもあるビーフィーTなどと比べると比較的ラフな首周りの作りである。そのようなことを考えると、やはりよりカジュアルなスタイルがオススメな製品。ただしUSコットンの風合いが渋く、やたらと格好良い。衣服といえども長らく使用し、使い倒したいギアでもある。
チャンピオンT1011のサイズ感。
サイズ感としては体重約60kg、身長約170cmという中肉中背の男性の場合、ピッタリと丁度良いのはMサイズ。ビッグシルエットに着こなしたい場合には、Lサイズであっても申し分ない。ただしSとMとLはサイズとして中々にサイズ感に違いがあり、その着用感には大きな差異があるという点にも留意したい。
T1011ではMサイズで丁度いい場合には、Sサイズはキツキツ、Lサイズであればブカブカと表現しても良い。当たり前の事ではあるが、T1011の場合にはこの感覚差は著明。裾の丈に合わせたサイズの違いは上記の通りで、肩幅などの違いも大きい。
C5-P404、ラグランスリーブ。
スポーツやアスレチックウェアの特徴でもあり、肩や腕回りの可動を邪魔しにくいラグラン袖が採用されたモデルのT1011。動き易いという生活において重要でありながら、無意識的な部分の快適さを手にすることが出来る。またサイドに縫製部が無いように設計された丸胴仕様であることも、このTシャツの特徴である。
C5-P401、リブ付きロングスリーブ。
ラグランと異なる仕様、クルーネックでサイドに縫い合わせ部分が無い丸胴仕様のT1011は、素肌に対してのストレスが軽減されている。T1011の中でも、袖口へのリブ付きのロングスリーブTシャツを探している場合には、C5-P401などが該当する。ヘビーウェイトな生地感であるながらも、袖口にリブが備わっている事から夏場に着る事が出来る薄手のスウェット的な感覚でコーディネートする事も可能である。ちなみにグレーの場合にのみ綿99%とレーヨン1%という生地感で、着心地よく見た目にも映える。
ヨレ難い、バインダーネック。
縫い目が気にならず、スッキリとしたバインダーネック。頑強な作りでありながらも、柔和な肌触りを実現している。洗濯を繰り返したり、長期使用に際しても、型崩れなどの経年劣化もし難い。トコトン着て着て着まくり、何度でもガシガシと洗濯を繰り返したい。白の場合は特に、首元の黄ばみ汚れなどが目立たぬように頻回に洗っておきたいところ。そんなときに、この仕様は大変ありがたいもの。
トリコロールのタグ。裾は切るのも。
T1011の襟に縫い付けられたタグは、トリコロールカラー。「HEAVY WEIGHT JERSEY」と「MADE IN USA」の文字も記載されている。良いものを所有するという何よりの喜びを満たしてくれるタグ。それにUSコットンが100%用いられた生地感には、独特の風合いが感じられる。製品に目を凝らすと、大量生産が意図されながらも、高品質を保っている事が窺える。素材、選定、縫製と全てがUSAに拘られた逸品であることを実感できるところ。今でもそのような製品が手に入るという幸運。
裾部分にもタグが付いたものである場合には、下に垂れ下がったりする事がある。その為、裾を出して着るだけでなく、ボトムスにタックインして着こなすというのも良い。上記の場合には、裾のタグを切り取った後。
袖口、チャンピオンのアイコンマーク。
勿論ながら、どのモデルの場合においても袖口には定番のチャンピオンアイコンマークが縫い付けられている。ただしチャンピオンスウェットによく備えられた胸元のワンポイントマークは無く、袖口だけに控えめに存在している所も好い。ラグランスリーブの長袖と七分袖の場合には、袖口にリブは無い。
T1011の素材、最上のUSAコットンとは。
アメリカの歴史と綿花との深い関りについては、三角貿易や独立戦争、はたまた南北戦争など話題には事欠かない程である。気候の安定性や整った気象条件などを加味して、米国南東部においては高品質な綿花栽培が効率的に行うことが出来た。特に現代に在っては、大規模機械化農業が実現されており、より安定的で高水準な綿の栽培を行っている。
USAコットンと謳われているものは、全てトレーサビリティによって生産地などが一目瞭然に確認する事が出来るようになっている。このような米国南西部の綿花の盛んな地域である、ミシシッピ州やフロリダ州周辺の領域はコットンベルトと呼ばれる程に生産拠点となっている。このUSAコットンの特徴としては、特に光沢感を保持しており、他の綿素材と比べても吸水透湿性にも優れているとされている。T1011は、このように優れた綿から織られた製品であること、歴史的観点から捉えても面白い。
T1011とリバースウィーブC3-X301を比較。
サイズ感の違いとしては、基本的にチャンピオン製品はMサイズが丁度良く、T1011においても同様に考えて良い。しかしながら、リバースウィーブTシャツの場合はワンサイズ大きめのLサイズで、ピッタリとした着心地。ツーサイズ上であっても何ら問題ない程にタイト。
例えば、T1011のMサイズとリバースウィーブTシャツのLサイズを同等のサイズ感であると見做しても良いような印象である。一枚で着る場合やゆったりとした着こなしが好みである場合には、普段よりもツーサイズ上を選ぶ方が無難であろうか。ちなみにリバースウィーブTシャツの中でも、リラックスフィットの場合はビッグシルエットでこの限りでない。
品名 | T1011 | リバースウィーブ Tシャツ |
型番 | C5-P404 | C3-X301 |
生地の厚さ | 7oz | 9.4oz |
生産国 | アメリカ製 | 中国製 |
サイズ感 | 通常 | 小さめ (タイト) |
さて、いずれもTシャツとしては、しっかりとした厚手の生地感。一枚であっても全く持って透け感が気になることも無い。リバースウィーブTシャツは、購入直後ノリがしっかりと付いており、パリッとした状態で梱包されている。その為、着用前に一度洗濯してから使い始めるのも良い。
ノリが落ちてしまうと、柔軟で良質さを感じる事が出来て格別。厚手の天然素材、コットンが肌触りに心地よく、当然ヘビーウェイトTシャツ特有の上質さを感じ得る。ただし頑強なる首元のバインダーネックといったタフネスな造りは、やはりT1011の特権である。
ちなみにいずれの場合も強めのガーメントウォッシュ加工によって着こなし当初からユーズド感も味わえる。リバースウィーブTシャツの着心地の良さとしては、Tシャツとして最強の部類。それは家着にしても良いくらいに気持ちが良いのである。
9.4ozという重厚な生地感を感じさせない程の軽快さを保ちながらも、その生地感によって上半身、肩や背中が冷えにくく、夏場に冷房の効いた室内などでも一枚で過ごし易いというのもポイント。リバースウィーブ特有の縦横の伸縮性も抜群に機能性を向上してくれているのが分かる。
そんなC3-X301にも採用されている、チャンピオンの代名詞と言っても過言ではないリバースウィーブという技術。洗濯による縦縮みという問題を解決に導いた革新的技術で、生地を横向きに使用。更にエクスパンションガゼットと呼ばれる両脇部分に伸縮性のあるリブを大胆に配置することで、横縮みの対策も為されている手法。このことによって、動き易さといった機能性についても向上が図られている。
リバースウィーブTシャツの切断面にはフラットシーマという縫製法や天然素材の綿が100%用いられている事によって、素肌へ直接触れた際の違和感も最小限に軽減してくれている。まるで夏用のスウェットシャツを着用しているような擬似的な感覚をT1011以上に得ることが出来る。
ただしT1011は、USコットンが100%採用されている事による、上質でいてドライな生地感がある。長らく使用することで、それを少しずつ育てて行きたくなるような気持に特別させてくれる。
レビュー:T1011de良質アメカジコーデ。
一枚だけでコーデが完成するT1011。ただ単純にヘビーウェイトなだけではなく、上質さを否応が無く実感する事が出来る衣服である。良い意味で一般的なTシャツに感じ得るイメージを払拭してくれる。春夏秋冬ただクローゼットに忍ばせておくだけで良い。何時だって重宝する着回しのし易さは、一年を通して衣替えが必要ないというのも嬉しいところである。
T1011にも採用されているモデルもあるラグランスリーブは、動き易いという利点もあるが、ビッグシルエットや七分袖との相性も抜群に良い。勿論、ピッタリの着回しもお洒落であるが、ゆったりと着たざっくり感も捨てがたい魅力である。夏の装いとして、デニムなどを合わせる事で、上下のコーデが完成する。そんな風に単純な着こなしでありながら、USコットンの上質さを感じる事が出来るのは、T1011の特権ともいえよう。
T1011のメンズコーデと着こなし。
何にでも合わせやすいT1011。首元が開いたモデルは、重ね着との相性も良い。インナーを首周辺でチラ見せするという着こなしも好印象。半袖をアウターとしながらも、丈の長いTシャツなどを見せるというのでも良い。少しだけ肌寒くなった季節であっても、肉厚の生地感を利用しながら長い期間楽しむことが出来るのがT1011の魅力でもある。ヘビーウェイトTシャツの代表格であるチャンピオンのT1011はオールシーズンの活躍が期待できる特別なる存在なのである。
ヘビーウェイトTシャツ、T1011の利点。
T1011の優れたところは、やはりその生地感。Tシャツとしては、7ozと非常に厚い部類の生地感ながら絶妙に着心地が良い。USAコットンの上質さは肌触りの良さを含めて、ドライな着心地が病み付きになる。一枚で羽織る。それはT1011にとって最高の着こなしであるように思える。着用者にとっては、ただ楽を極めていながら、傍目から見れば、その醸し出される上質さを感じ得る。たったそれだけで、T1011を持っている事に価値を見出すことが出来る。
その素晴らしい生地感は、使えば使うほどに、洗えば洗うほどに経年変化によって風合いを増していく。そんな面白さを感じながら、長い年月を共にすることを可能としてくれるという耐久性も魅力的である。良いものを持つ喜び、長い時間を共にする喜び、たったそれだけのことなのにT1011がより尊いものとしての存在感を帯びていく。そうして少しずつ愛着が増し、唯一無二の価値を備える。
T1011の苦手とするところ。
何度でも述べるように、ガシガシと使って、いくらでも洗う。そうした着こなしは、T1011にとって存在意義を感じさせるものである。ただし、激しい運動で多くの発汗、もしくは洗濯によって濡れた場合。分厚い生地感も相まって、通常の薄めのTシャツと比して乾きにくいというのは、苦手とする特性。こうしたことを考えると、梅雨時に毎日使用する場合には、洗い替えも考えるべきであろうか。
天然素材のUSA綿ならではの肌触りの良さは格別であるものの、激しい運動にて発汗した際などでは、化繊のもののほうがドライに運用する事が出来るというのは当然の事柄でもある。インナーとしても勿論活躍する事間違いなしの代物であるけれども、どちらかと言えばアウターとしてのTシャツであると考えて運用するほうが製品の真骨頂を発揮するように思える。ただの一枚でスタイルが完成する。まさにそれこそが、T1011の魅力なのである。
ブログ:ヘビーウェイトTシャツ、T1011。
質実剛健で無骨。メイドインUSAというだけで、そんなイメージが香るところである。特にカレッジスタイルで著名なチャンピオンも軍の訓練用にTシャツを製造していたという歴史が示す通り、その品質の高さや頑丈さは取柄であるといっても過言ではない。緻密で奢侈性を重視する衣服であるというよりは、ガシガシと使い倒すということが想定される衣服である。
勿論、現代においてはファッション性に注目が集まり、元来の用途とはかけ離れてきている部分も大いにあるところ。それでも、やはりそれを身に着ける実用性の高さは、目的の如何を問わずして着心地や使い勝手の良さに繋がっている。T1011というTシャツは、家や外を問わずにどんな環境においてさえ快適な生活を実現してくれる存在。それを手にし、身に着ける喜びは計り知れない。